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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第104回

モバイルノートのようで新しい、LaVie Yに見るWindows RT

2012年11月15日 12時42分更新

文● 西田 宗千佳

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 そのつもりでキーボードを見ると、キートップの形状はNECのものではない。レノボがIdeaPadや、近年のThinkPadで採用している形状に近い。LeVie YはIdeaPad Yogaの中でも、Windows RT搭載の11インチモデルの日本版、という色合いの強い製品といえる。そういえば、ACアダプターも最近のレノボ的というか、LaVie Z付属のものと同形状だ。この辺は両社の連携の賜物なのだろう。

ACアダプターは、角形コネクターでLaVie Zと同じもの。300g程度とかなり軽量だ。だが、バッテリー駆動時間の長い本製品では、常に携帯する必要性は薄いだろう

 日本版的な位置付け、という意味では、キー配列がきちんと日本語配列になっている点にも注目しておきたい。Windows RT搭載製品は海外モデルが多く、日本語キーボードに対応していないものが中心だ。また、Windows RTと直接比較すべき対象であるAndroidタブレットやiPadは、Bluetoothキーボードなどを併用した場合でも、英語配列のまま使うことになるのがほとんどだ。そのため、英語配列が苦手な人には辛かった。だが、「LaVie」として売られる以上、その辺は「日本向け」をきちんと配慮しているためだろう。

 なお、同一のヒンジ構造を採用した製品としては、前回採り上げた「Let'snote AX2」がある。両者を使ったイメージで言うなら、変形のしやすさ・軽さでは、若干だがAX2の方に軍配が上がるか、と感じた。完全にひっくり返してしまう時の畳みやすさが、LaVie Yの方が少し劣るかな……という評価だ。もちろん、ここには各製品の個体差もあるだろうし、逆に言えば個体差でひっくり返るかもしれない程度の差ではある。

 インターフェースも実に「普通」だ。USBは2.0だが、HDMI出力とSDメモリーカードスロットがあって、データ連携などにも使える。アナログRGB出力はなく、プレゼン用途への備えという意味では少々心許ない部分があるが、あまりに普通に「モバイルノートになっている」ので、少々拍子抜けする感もあった。

本体左側面。左からヘッドホン・マイク端子、USB 2.0、HDMI出力、音量ボタン

本体右側面。左からUSB 2.0、SDメモリーカードスロット、電源コネクター

使い勝手は「Windowsそのもの」
アプリの必要性で価値が決まる

Windows RTで動く、LaVie Yのデスクトップ画面。ここだけを見て、Windows 8と区別できる人はほとんどいないだろう

 「拍子抜け」と書いたのには、もちろん理由がある。冒頭で述べたように、LaVie Yは「x86アーキテクチャー+Windows 8」で動いているわけではなく、「ARM系CPU(Tegra 3を採用)+Windows RT」で動作している。画面写真を見ていただければおわかりのように、Windows RTという「Windows 8ではないもの」でありながらも、見た目はまるで変わらない。システムのプロパティを見ると、OS名がWindow RTになっていて、CPUもTegra 3となっていることくらいでしか、RTであることを示すものはない。

システムのプロパティ。OS名は「Windows RT」であり、CPUもTegra 3。メモリーは2GBと、Windows 8製品に比べ少ないが、動作にはあまり影響していないようだ

Windows RTのスタート画面。新UI向けのアプリでは、Windows 8との互換性が重視されている

 実際使ってもそうなのだ。Windows RTには「Microsoft Office 2013 Preview」がバンドルされている。WordやExcel、PowerPointを使う限りでは、一般的なPCとの差はかなり少なく感じる。動作の遅さは感じられないし、機能もかなり近い。WordやExcelにはマクロ機能がないようだが、ファイル形式は同じだし、レイアウトなどが崩れることもない。日本語入力プログラムも、「IME 2013」である。

「Microsoft Office 2013 Preview」。マクロなど、フルバージョンから欠けている部分もあるが、まごうことなき「MS Office」であり、他プラットフォームにある互換ソフトとは一線を画する存在だ

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