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Windows 8を堪能するタッチパネルノート&デスクトップ特集 第3回

普通のノートでタッチを使えるWindows 8モバイルノート

2012年11月15日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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重さと携帯性をチェック

 次は重さと携帯性、バッテリー駆動時間をチェックしてみよう。

製品名 サイズ 質量 バッテリー
VivoBook X202E 幅303×奥行き200×高さ8.5~21.7mm 約1.3kg 約5.2時間
Aspire S7-391 幅323.0×奥行き224.0×高さ11.9mm 約1.3kg 約6時間

 ディスプレーサイズが1.7インチも異なるわりに、重さは両機種とも同等の約1.3kg。ただし厚さがほとんど倍も違うので、フットプリントが大きいわりに薄いAspire S7の方が軽く感じる。両者とも天板、底面ともにフラットで、ゴム足以外に余計なものがないので、カバンに出し入れするのは容易だろう。

Aspire S7には専用のソフトケースが付属する。こうしたアクセサリーは、持ち歩くノートパソコンには欲しいもので、評価できる

 なお、Aspire S7のパッケージには、専用のソフトケースが付属している。天板が強化ガラスで覆われているとはいえ、美しいノートパソコンほど傷が付かないように保護したくなるもの。こうした付属品は歓迎したい。

 バッテリー駆動時間は表のとおり、両者ともあまり長くはない。VivoBookの時間はJEITA測定法1.0による数値で、Aspire S7はカタログ等に測定法の記載がない。おおよそ一般的な「カタログ値の6~7割」の法則からすると、Aspire S7でも4時間程度というところ。丸一日持ち出すには足らない。そうなると、ACアダプターも一緒に携帯したくなる。

 VivoBookのACアダプターはZENBOOKと同じ正方形デザインで、プラグの歯の部分がアダプター本体についているタイプだ。サイズはコンパクトだし、ケーブルは1本で細く柔軟なので、束ねてカバンに入れておくのも容易だ。Aspire S7はノートパソコンではよくある、パソコン側とプラグ側それぞれにケーブルのあるタイプ。アダプター本体はそれなりに小型なのだが、プラグ側のケーブルが太くて固く、束ねにくいのは気になった。

VivoBookのACアダプターは、ZENBOOKと同じプラグと一体になったタイプ。コンセントに接続しやすいし、持ち運びも容易

Aspire S7はオーソドックスなケーブル2本タイプ。ただしプラグのあるケーブルは太くて束ねにくく、持ち歩くにはいまいち

 本体だけを比較するなら、携帯性は薄くてケースも付属するAspire S7にやや分があり。ACアダプターも込みで考えると、どちらも大差なしとなりそうだ。

スペックをチェック
Aspire S7はフルHDディスプレーを採用!

 最後にスペックとソフトウェア面もチェックしよう。

製品名 CPU メモリー ストレージ ディスプレー
VivoBook X202E Core i3-3217U 1.8GHz 4GB HDD 500GB 11.6型 1366×768ドット
Aspire S7-391 Core i7-3517U 1.7GHz 4GB SSD 128GB 13.3型 1920×1080ドット

 見てのとおり、メモリー以外すべてでAspire S7が勝っている。スペック欄を一瞥してまず目に付くのは、搭載ストレージの違いだ。VivoBookは500GBのHDDを、Aspire S7は128GBのSSDを採用している。128GBのSSDは余裕のある容量とは言い難いが、体感パフォーマンスではHDDとは比較にならないほど快適だ。4倍の容量があるよりも、SSDの速さの方がより良いユーザー体験をもたらすだろう。

 ディスプレーもまた大きな差がある。VivoBookはありふれた11.6型/1366×768ドットだが、Aspire S7はフルHD解像度のパネルを採用している。特集1回目でも書いたが、Windows 8は高解像度ディスプレー(高dpiと言うべきか)の価値が高い。スタート画面では多数のタイルが同時表示できるし、Windows 8スタイルアプリなら、高dpiを生かした高品位なフォント表示が可能になる。スナップビューでアプリを表示したままでもデスクトップ領域を広く使えるなど、いいことずくめ。SSDと同様に、ユーザー体験のレベルは非常に高い。

 CPU性能も、ターボブーストが使えるCore i7のAspire S7に対して、使えないCore i3のVivoBookと、少なからぬ差がある。とはいえ、Core i3では遅いというほどでもない(それ以上にSSDとHDDの体感性能差の方が大きい)。また、Aspire S7は高負荷時の冷却ファンの音が大きめなので、使う場所によっては騒音が気になりそうだ。

インターフェース面も確認しておこう。VivoBookの左側面には、左から電源コネクター、有線LAN、HDMI出力、USB 3.0、USB 2.0、セキュリティーロックホールが並ぶ

VivoBookの右側面。左からSDメモリーカードスロット、ヘッドホン/マイク兼用端子、USB 2.0、アナログRGB出力

Aspire S7の左側面。左から電源コネクター、micro HDMI出力、ヘッドセット、電源ボタン

Aspire S7の右側面。左からSDメモリーカードスロット、USB 3.0×2

 スペックを並べて比較すれば、Aspire S7がVivoBookに圧勝となるが、それも当たり前ではある。なにせAspire S7の価格は、VivoBookの3倍弱。と言うよりもVivoBookが5万4800円(直販価格)と、タッチパネル搭載のモバイルノートとしては格安の価格で販売されているからだ。6万円未満のノートパソコンに、コストの高いSSDやフルHD液晶パネルを積むのは無理というもの。むしろ、この価格でこのスペックとデザインを揃えた方が驚きと言ってもいい。

 ソフトウェア面に目を向けると、Aspire S7はプレインストールされたWindows 8スタイルアプリの豊富さに目が向く。電子書籍アプリの「Kindle」や、独自のユーザーサポートソフト「Acer Explorer」など、Windows 8スタイルのUI上で扱えるものが多い。とはいえ、アプリの大半はWindows 8の「ストア」から入手可能なので、独自色があるのはAcer Explorer程度だ。

Aspire S7のスタート画面の一部。右側に並ぶのがプレインストールされたWindows 8スタイルアプリ

システム情報やアプリの一覧ができる「Acer Explorer」。ただし表示は英語のみで、日本語対応が待たれる

 VivoBookのプレインストールアプリは少なめだ。しかし、ハードウェア設定に関する機能をまとめたWindows 8スタイルアプリがプレインストールされており、Windows 8での使い勝手を向上させている。

VivoBookにプレインストールされている、Windows 8スタイルのハードウェア設定アプリ

 性能面ではAspire S7の圧勝だが、6万円未満で実用的な性能のタッチパネル搭載Windows 8ノートが手に入ることを考えれば、手軽な価格のVivoBookも十分以上に魅力的だろう。

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