強調するタブレットと電子ブックリーダーの違い
三木谷社長がもうひとつ強調してみせたのが、タブレットと電子ブックリーダーとの違いだ。
ここにきて、7型前後のディスプレーを搭載したタブレット端末が相次ぎ登場。iPad miniやKindle、Nexus 7の国内発売も気になるところだ。
だが、三木谷社長は、「タブレット端末は、ゲームや映画、音楽での利用が中心になる。それに対して、タブレット端末と比べ、軽いのが電子ブックリーダー。PCとタブレットの違いほど、タブレットと電子ブックリーダーには違いがある」と語りながら、「電子ブックリーダーが持つ『白黒端末』としての特徴を生かしたい。欧米では70%の人が白黒端末とタブレット端末を使い分けており、日本でも同様の市場を作りあげたい」などと語る。そして、「この市場で勝算があるから、新製品を出した」と強気の姿勢をみせた。
そして、kobo Touchは、読者離れに歯止めをかけ、出版業界への貢献を目的に投入したものであると三木谷社長は位置づけ、「kobo Touchの1人あたりの読書量は、他の国の2倍になっている。koboは日本の電子書籍の扉を開いた」と、これまでの成果にも自信をみせた。
残るkobo Touchへの不信感を拭えるか
しかし、kobo Touchでは、アクティベートの問題など発売時から様々な課題が噴出。提供する書籍点数の表示についても、消費者庁から行政指導を受けたり、Wikipediaの情報をコンテンツとして加えており、点数の水増しともとられかねない事実も指摘されている。さらに、10月になって楽天カードのプレミアム会員に対して、実質上、無償でkobo Touchを配布するという施策を開始。これも、ユーザーや業界内で混乱を招いているのが実態だ。
会見のなかでも三木谷社長は、「kobo Touchに関する販促については残念ながら答えられない」とし、無償配布の明確な狙いなどについては言及しないままだった。
三木谷社長は「読書革命を起こす」と強気の姿勢を崩さないが、ユーザーなどからの不信感があるのは事実。まずは、ここから払拭していかなくてはならないのではないか。
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