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Windows 8を堪能するタッチパネルノート&デスクトップ特集 第1回

一台二役 Windows 8ならではの変形ノート5機種をチェック

2012年11月12日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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使いやすい変形ギミックはどれだ!?

 前ページで分類したように、現在日本で発表されている変形ノートには、4種類の変形機構がある。

 閉じたタブレット状態ではディスプレーが天板側に露出し、ディスプレーを持ち上げるように「スライド」させるとノートパソコン形態になる「スライド型」。閉じた状態では通常のクラムシェル型ノートと同じ外見だが、ディスプレーと本体が特殊なヒンジで接続されており、ディスプレー部分が360度回転してタブレット形態になる「フリップ型」。タブレット部が本体となっていて、キーボード部分が合体分離できる「セパレート型」。ディスプレー部分が回転軸によってベゼル左右に取り付けられていて、開いた状態ではどんでん返しのように回転して、クラムシェルノートからタブレット形態に変わる「回転型」。これら4製品だ。

 ノートパソコンの変形機構としては他にも、ディスプレー下部中央に、左右180度に回転する特殊なヒンジを備えた変形ノートもあるが(例えばコレ)※1、今のところWindows 8搭載ノートとして日本で発表されているものはない。
※1 当時はコンバーチブル型と呼ばれたものだが、コンバーチブルは「形が変わる」という意味なので、変形機構の種類が増えた現在に使う用語としては不適当だろう。何かいい呼び名があればいいが……。

2010年の変形Tノート「ThinkPad X201 Tablet」。当時は変形ノートと言えばこのタイプが主流。レノボのほかHPも同種の変形ノートを長く手がけていたが、今は途絶えている

 変形するノートと聞けば、多くの読者の頭に浮かぶのは「そんな複雑な機構を入れて、壊れやすくなったりしないのか?」ではなかろうか。もちろん機械である以上、絶対に壊れないということはありえないわけだが、一方でメーカー側も当然ながら、変形機構が原因で簡単に壊れたりしないように、各種試験を実施している。実際に触ってみても、各機種とも変形機構の部分はしっかりとしており、一般的な用途で使う限り、簡単に壊れてしまうという心配はなさそうに思える。破損が心配な人は、ノートパソコンとしての強度をアピールしている機種を選ぶのがいいのではなかろうか。

こちらはソニーが公開している、VAIO Duo 11の開閉試験の写真。VAIO Duo 11は今回の変形ノート5機種の中でも、一見最も脆弱そうに見えるが、実際はかなりしっかりとした構造とテストを経ている

 変形ノートの中でも、一番シンプルなのが合体ノートのSTYLISTIC QH77/J(以下STYLISTIC)だ。ASUSTeKのAndroidタブレット「Transformer」シリーズと同じ構造で、タブレットの本体をキーボードドック「キーボード・ドッキングステーション」の合体コネクターにはめ込むだけ。きちんとはめ込めばロックがかかるので、ディスプレーを掴んで丸ごと持ち上げても、ドックが外れて落下するような心配はない。合体状態ではごく普通のノートパソコンと変わらず使えるし、タブレット形態では他の変形ノートよりも軽い利点がある。ただし、合体状態では約1.7kgと重いし、タブレット時はバッテリー駆動時間が短いという問題点もある。

 フリップ型のレッツノートAXとIdeaPad Yoga 13(以下Yoga)は、どちらも同じ「二軸ヒンジ」を使った360度回転機構を採用している。このタイプの利点は、クラムシェル型ノートとの違和感のなさだ。ごく普通のノートのようにディスプレーを開いて使い、そのままぐるりと回せばタブレットになる。シンプルでわかりやすい。Yogaなどは、逆三角形のラムダ型に開いた状態(テントモードと呼んでいる)でも使える点を、特徴としているくらいだ。

Yogaでフリップ型の変形パターンをチェック。レッツノートAXの変形もこれと同じ。まずフラットになるまでディスプレーを開き……

そのまま反対側まで回転。ラムダ型の「テントモード」にしても、画面は正しい向きで表示されるのでそのまま使える

テントモードのままキーボード面を下にして置けば、フォトスタンドのような形態でも使える。画面も正しい向きで表示されているのがわかる

ディスプレーを完全に回転させてタブレット形態に変形完了

 フリップ型をタブレット形態で使うと、キーボードが裏面に露出するのが気に入らないという人もいるだろう。使い勝手の面では、両機種とも反転状態ではきちんと自動ロックがかかるので、間違えてキー入力してしまうという心配はない(レッツノートAXはロックを手動操作にもできる)。気分の問題を除けば、実用面での支障はないはずだ。

 クラムシェル型ノートとしての使い方を中心に変形ノートを求めるのであれば、フリップ型のレッツノートAXがお勧めできる。

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