開戦前に99%勝敗が決まっているシンプルながらも奥深いバトル
RPGの戦闘として、“こんなにもシンプルで、こんなにも奥深いと思える”特徴的なバトルシステム“ローテーションバトル”も本作の魅力の1つ。元々は、PS2の最初期に発売されたRPG『7(セブン) ~モールモースの騎兵隊~』が初出のシステムですが、今作でもそれは健在です。
このゲームには、全部で17種の職業があります。その職業には、攻撃な得意な職業だったり、遠距離攻撃が得意な職業、回復が得意な職業、味方のサポートが得意な職業と、それぞれ固有の特性を持っています。その17種の職種の中から、自由に7種を選らんで、4×3のマス目に配置して戦うのが本作のバトルです。
17種の職業
それぞれのキャラクターは、配置したマス目によって役割が変化します。前列は攻撃と敵からの攻撃を受ける役割。中列は前列の味方をサポートする役割。後列は、後列のキャラクターを回復する役割、といった具合です。
このままだと役割が1つに固定されてしまうのですが、ターンの終わりに、クルっと任意に隊列をローテーションできるというシステムがそれを解決しています。そして、開戦前にキャラの配置を終えたプレイヤーは、戦闘では“ローテーションをさせるかさせないか”という2つの行動しかできなくなります。
プレイヤーは、ターン終了時に○か×ボタンを押すだけ……。本当にシンプルです! しかし、“開戦前に敵のパラメータ、行動パターン、思考パターンが開示されている”というシステム的ブレイクスルーが、このローテーションバトルに奥深さを生み出しています。
バトルを始める前から、“こいつは4ターン目に強力な攻撃を放つ”とか“レベルの低いキャラを優先して狙う”、“味方の戦士より行動順が遅い”などのことがすべてわかってしまうんです。これがミソ! つまり、“敵の行動に合わせて戦略を練り、配置を終えた時点でほとんど戦闘が終わっている”んです!! 前略を練って練って、1ダメージも受けずに敵を完封できた時の爽快感。明らかな格上を相手に、ただ1つある勝利への道を見つけ出して打ち勝つカタルシス! これらの気持ちをぜひ体験してほしいですね。
ちなみに、本作のルールについては渡空燕丸先生の解説コミックが非常に参考になります。ルールを知っているプレイヤーが読んでもおもしろいので、オススメですよ! 僕は最後のページ真ん中のブラッドの表情とセリフで、いつもウルウルしちゃいます(笑)。
ソーシャルゲーム『サウザンドウォーズ』もiOSで展開中
本作の魅力はまだまだ語り足りないのですが、あまり詳しい話ばかりするのもアレなので、この辺りで筆を置きたいと思います。もっと詳しいことを知りたち人は、僕が担当したPSP版の特集ページでご確認ください。開発スタッフインタビューも載っていますよ! 体験版も配信されているので、そちらもぜひ!!
本作にはやり込み要素もあり、ブラッド同様“100年間戦えるゲーム”に仕上がっていると思います。まだプレイしたことがない人は、ぜひ年末年始の休日にじっくりプレイしてみてはいかがでしょうか? なお、プレイする場合はダウンロード版を強くオススメします!
最後に、本作の前身となる『7』のソーシャルゲーム『7 セブン サウザンドウォーズ』を、iOSでプレイすることができます。現在は“シーズン2”となり、寿命でキャラが死なないなど、システムが現代に最適化されてプレイしやすくなっています。ネットワーク上の他のプレイヤーと共闘することで、最大10人でローテーションバトルを行えるなど、別の楽しさも味わえるので、本編のプレイを終えたら、こちらもプレイしてみてはいかがでしょうか? 僕も“ごえモン騎士団”という名前でプレイしていますよ!(ごえモン)
■Amazon.co.jpで購入
この連載の記事
-
第63回
PC
炎の十番勝負! オンラインゲームガチンコPR対決!最終回 -
第62回
デジタル
レノボ初投入のゲーミングPCは見た目も中身もスゴかった -
第60回
デジタル
暴力的なスリル感がクセになる『Hotline Miami』 -
第60回
デジタル
相変わらず時間ドロボウな『シャイニング・アーク』のプレイレポートをお届け -
第59回
デジタル
誰でも平成の孔明になれる三国志ゲーム -
第58回
デジタル
ド直球ファンタジー作品『大連撃!!クリスタルクルセイド』を紹介 -
第57回
デジタル
天空の前にまず海底!『バイオショック』を堪能してみてくれないか? -
第56回
デジタル
超骨太なロボットACT『機装猟兵ガンハウンドEX』 -
第55回
デジタル
“デスゲームもの”の名作『シークレットゲーム』のおもしろさ -
第54回
デジタル
鎌池先生&岩野Pにいろんなこと聞いちゃいました 最終回 -
第53回
デジタル
鎌池先生&岩野Pにいろんなこと聞いちゃいました 第3回 - この連載の一覧へ