極めれば強力な武器となる
Razer「Naga Hex」
実売価格:7980円前後
製品情報
これまで紹介してきたマウスは、左右+ホイールに親指で操作する2ボタン+プロファイルやdpi切り換えという構成のものがほとんど。FPSだとボタンの数よりも押しやすさや誤爆の少なさが重視されるものだが、RTSや近年流行のDotA系のゲームだと逆にボタン数が多い方が好まれる。その理由はスキルや回復薬などをホットキーに入れておき、連打するスタイルが多いため。まったり右手だけでプレイする場合でも、シビアなPvPを楽しむ場合でも“押しやすい多ボタンマウス”が欲しいゲーマーはいるだろう。そういう人のために有効なのがRazer社製の「Naga Hex」だ。
本製品最大の特徴は側面に搭載された6つのボタン。「League of Legends」のようなDotA系、「StarCraft2」のような人気RTSタイトルでは、マウスの操作よりも4~6個のショートカットキーをどれだけ正確に素早く入力できるかが勝負になる。Naga Hexはこういったゲームプレイに特化した設計なのだ。
ただこの6つのキーの使いこなしはある程度の習熟が必要だ。どのキーが1234あるいはQWERに対応するのか、という配置を身体で覚えるまでは、誤爆が多発することだろう。
また、前後に細長く、薬指や小指の置く位置が結構限定されてしまうデザインのため、かなり使う人を選ぶデザインになっている。それよりも全体の触感がフヨフヨと頼りなく、「R.A.T.5」や「Meduza」のようにソリッドな操作感ではないため、操作に安心感が今一つ感じられないのが残念。ただマウスとしての挙動が鈍い訳ではないので、決して操作がブレるという訳ではない。
Naga Hexの設定は、設定ツール「Razer Synapse 2.0」を使うことになるが、これが結構なクセモノ。何せマウスの設定ツールのくせにインターネット接続が必須なのだ。これはクラウドに設定を保存し、同IDでログインすればどこにいても同じ設定が引き出せるというもの。国際大会などで使うことを考えた上での仕様だが、正直ちょっとうっとうしい。
ただ側面の6ボタンに関しては、底面のスイッチを「Num」側に切り換えることで、テンキーの1~6として使うことができる。RTSやDotA系のゲームだと、これらのキーにスキル使用が割り振られていることが多いため、これを利用すれば少なくとも側面ボタンに関してはツールなしで利用が可能だ。
実売価格も7000~8000円と高いため、かなり使い手を選ぶマウスだが、4~6個のホットキーを多用するゲームでの相性はすこぶる高い。その気になれば食事をしつつ右手だけで操作することもできるため、ズボラ系ゲーマーにとっても意外に有用だ。
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