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ホットなゲーミングデバイスを徹底レビュー 第1回

入力デバイスを強化してゲームに差をつけよう【マウス編】

2012年11月06日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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極めれば強力な武器となる
Razer「Naga Hex」

実売価格:7980円前後
製品情報

 これまで紹介してきたマウスは、左右+ホイールに親指で操作する2ボタン+プロファイルやdpi切り換えという構成のものがほとんど。FPSだとボタンの数よりも押しやすさや誤爆の少なさが重視されるものだが、RTSや近年流行のDotA系のゲームだと逆にボタン数が多い方が好まれる。その理由はスキルや回復薬などをホットキーに入れておき、連打するスタイルが多いため。まったり右手だけでプレイする場合でも、シビアなPvPを楽しむ場合でも“押しやすい多ボタンマウス”が欲しいゲーマーはいるだろう。そういう人のために有効なのがRazer社製の「Naga Hex」だ。

ヌメッとしたデザインが印象的な「Naga Hex」。側面に12ボタンを配置したモデルもあるが、ゲームで使うならこの程度が限界ということでこの製品を紹介しよう

 本製品最大の特徴は側面に搭載された6つのボタン。「League of Legends」のようなDotA系、「StarCraft2」のような人気RTSタイトルでは、マウスの操作よりも4~6個のショートカットキーをどれだけ正確に素早く入力できるかが勝負になる。Naga Hexはこういったゲームプレイに特化した設計なのだ。
 ただこの6つのキーの使いこなしはある程度の習熟が必要だ。どのキーが1234あるいはQWERに対応するのか、という配置を身体で覚えるまでは、誤爆が多発することだろう。

タテに長いデザインなのでかぶせ持ちには最適だが、横幅がかなり狭いので小指が遊んでしまう。つまみ持ちだとつまむ場所を見つけるのに苦労する感じだ

 また、前後に細長く、薬指や小指の置く位置が結構限定されてしまうデザインのため、かなり使う人を選ぶデザインになっている。それよりも全体の触感がフヨフヨと頼りなく、「R.A.T.5」や「Meduza」のようにソリッドな操作感ではないため、操作に安心感が今一つ感じられないのが残念。ただマウスとしての挙動が鈍い訳ではないので、決して操作がブレるという訳ではない。

薬指置きが右手に張り出し、ボタン付近がキュッと締まっているのが本製品の特徴。通電時にボディー後部が発光するが、発光色の変更はできない。全体がツルツルしているため手脂が残りやすいのが気になった

ソールが薬指置きの下にある点を除けば、一見変哲のない底面のように見えるがセンサー右側には側面6ボタンの挙動を変えるスイッチが設置されている。「123」側にセットすれば、マウスの第4~第10ボタンとして機能するが、「Num」側にセットすれば、テンキーの1~6キーと同じ扱いになる

左側面は6つのボタンでほぼ占拠されている。親指を置く場所を確保するために、中央にラバーっぽい触感の突起(サムレスト)が設置されている。これをホームポジションにして6つのボタンを確実に操作できるようトレーニングしておこう。サムレストは背の高さの違う2種類のパーツが同梱されている

右側面には何もない。左右ボタンの触感は「R.A.T.5」のカチッとした感触とは正反対の、プラスチッキーな反発のフヨフヨとしてチープな感触が残念だ

 Naga Hexの設定は、設定ツール「Razer Synapse 2.0」を使うことになるが、これが結構なクセモノ。何せマウスの設定ツールのくせにインターネット接続が必須なのだ。これはクラウドに設定を保存し、同IDでログインすればどこにいても同じ設定が引き出せるというもの。国際大会などで使うことを考えた上での仕様だが、正直ちょっとうっとうしい。
 ただ側面の6ボタンに関しては、底面のスイッチを「Num」側に切り換えることで、テンキーの1~6として使うことができる。RTSやDotA系のゲームだと、これらのキーにスキル使用が割り振られていることが多いため、これを利用すれば少なくとも側面ボタンに関してはツールなしで利用が可能だ。

黒くて見辛いが、ボタンの設定は特に迷う部分はない。dpi切換を行いたい場合は、あらかじめここでボタンに割り振っておかないと、どうやっても使えないので注意が必要だ

補正系の機能はなく、dpiと加速度を設定するのみ。dpi切換機能のプリセットは「感度ステージの設定」ボタンで確認および変更ができる。デフォルトでは最小800dpiから最高5600dpiの5段階の切換ができるが、必要に応じて2段階や3段階切換に変更できるという仕掛けだ

マクロの記録・編集機能ではマウスホイールの回転を検知できない以外は結構使い易い。ディレイなしで連続して入力する設定にもできるし、指定した時間で入力のインターバルを揃えることもできる

 実売価格も7000~8000円と高いため、かなり使い手を選ぶマウスだが、4~6個のホットキーを多用するゲームでの相性はすこぶる高い。その気になれば食事をしつつ右手だけで操作することもできるため、ズボラ系ゲーマーにとっても意外に有用だ。

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