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ホットなゲーミングデバイスを徹底レビュー 第1回

入力デバイスを強化してゲームに差をつけよう【マウス編】

2012年11月06日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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ハイブリッドセンサーの威力は?
GeIL「Meduza」

実売価格:6380円前後
製品情報

ハイブリッドカーやIntel Smart Responceなどのように別方式の機構を組み合せて、両方の良い所取りをする、という設計に魅かれてしまうなら、台湾GeIL社製の「Meduza」に注目したい。

黒と赤のコントラストが“強ェ~”感を盛り上げてくれるMeduza。通電時に赤く光るロゴやケーブルの布巻きも黒赤のパターンになっているなど、一見地味なようだがPCに接続すると結構目立つ

 その理由は光学センサーとレーザーセンサーを併用してトラッキング精度を稼ぐ「HDST」という独自のハイブリッド技術が採用されているから。HDST使用時のトラッキング精度は最大200ipsだが、これは「Sensei」の150ipsより細かい動きも把握できるということを示す。ただ筆者の腕では、光学/レーザー単体で運用した時と明確な違いは感じられなかったのが残念。

マウス部の重さは約122gと、後述の「R.A.T.5」ほどではないがワイヤードマウスとしてはやや重めの設計だ。ホイールの下にはDPIだけ切り換える(4段階)ためのボタンを配置

左に光学センサー、右にレーザーセンサーをやや離して配置している。中央やや下にある黒い部分はセンサーの切り換えスイッチで、一番左で光学のみ、一番右でレーザーのみ、中央位置でハイブリッド(HDST)モードを切り換える

 センサーの違いは解像度にも表れる。HDST使用時は4800dpiだが、単に解像度だけを求めるならレーザーセンサー単体にすれば6000dpiまで得られる。2200dpiを失ってまで得られる解像度はいかほどなのか資料も体感もできない状態だ。また、後で解説するがポインターの動きアシスト機能もレーザーモードでしか使えないものもあるなど、HDSTが最強という訳ではない。
 ……しかし、そんなことは“どうでもいい”のだ。デッドウエイトが増えようと効果が実感できなかろうと、“ハイブリッド”方式というキーワードにロマンを感じる。この高揚感がこの製品を選ぶ理由なのだ。

左側面の第3・第4ボタンは結構大きく押しやすいが、親指を置く場所がしっかりと確保されているため誤爆はしにくい。前方下にはdpiの切り換えを視認するためのインジケーターLEDが配置されている。一番前方にある小さなボタンは、プロファイルを切り換えるための第7ボタンだ

右側面には何のボタンもなし。薬指を載せてマウスを動かした時の安定性を確保するための凹みがボタン付近からマウス中央に向けて設けられていることがわかる

 自慢のHDSTはさておき、持った時の感触は大ぶりなマウスにしてはかなり良好。親指だけでなく薬指や小指を置く場所に絶妙な凹みが設けられているため、無理な力をかけなくても手に吸い付くようにホールドでき、マウスを動かしていても最小限の力で動きを制御できる。フィット感の高いマウスが好みなら、一度は触ってほしいデザインだ。

親指がひっかかるように凹んでいること、さらに薬指と小指にもそれぞれ凹みがあって5本の指全体できっちりホールドできる。ボディは長めの設計なのでかぶせ持ちユーザに向いている

 Meduzaのもう1つの売り文句は、5種類のプロファイルと15個のマクロをマウス本体に保存して使えるという点にある。しかし困ったことに、この設定を行なうMeduza専用設定ツールが使いにくい。「Sensei」のように難解という訳ではないのだが、常に全画面で展開されるためちょっと設定したらAlt+Tabでアプリを切り換えてテスト……という面倒な作業の繰り返しになるのだ。GUIは大きいので操作には困らないが、トライ&エラーで煮詰める作業が結構しんどいのは困った話だ。

“いかにもゲーマー向け”という感じの設定アプリ。プロファイル切り換えボタン以外の6つのボタンにそれぞれ機能を割り振ることが可能だが、他社製マウスのように特定のアプリを起動するような機能はない。デフォルトのボタンの機能を入れ替えたり、マクロを割り当てる程度の設定にとどまる

第4ボタンを押した時に順次切り換えできるDPI設定は、使用するセンサーごとに設定できる。左から順に光学/HDST/レーザー用の設定項目だが、レーザーのみタテとヨコの解像度を個別に設定できる点に注目

ゲーミングマウスに欠かせない加速度調整なども一通り揃っている。ポインタの加速はデフォルトで「5」が設定されているため加速度嫌いな人は速攻でオフにしておこう。右下の「Angle Snapping」は「Sensei」のFreeMoveのようなアシスト設定。ただレーザーモード時のみ利用可能だ

マクロの登録画面。Meduzaの場合はホイールの上下も組み込めるタイプだが、ディレイを一律の値に揃える機能がないため、キレイなシーケンスを作るのが少々面倒臭い

マウスホイールのイルミネーションはプロファイル切り換えのインジケーターの役割を果たしている。5種類のプロファイルに対し1色ずつ割り振ってあるため、今どのプロファイルを使っているかが一発で視認できる

 HDSTの効果はさておき、ゲーミングマウスとしては可もなく不可もなしという印象が強かった。ツールの出来は今一つだが、フィット感はよかったのでかぶせ持ちメインなゲーマーならぜひチェックして欲しい製品だ。

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