BDレコーダー10番勝負八本目!! 画質調整機能
さて、いよいよ10番勝負も残り3本となってきた。ここからはクライマックスとなる画質勝負だ。
対決20 画質調整・画質モードをチェックする
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
まずは、それぞれの高画質回路や画質調整機能について、比べていく。まずは、両社の主要な画質関連の機能を表にまとめてみた。
画質機能比較 | ||
---|---|---|
機種名 | DMR-BZT830 | BDZ-ET2000 |
高画質回路 | 新ユニフィエ | CREAS4 |
超解像 | ○ | ○ |
AVCエンコーダー | インテリジェントエンコーダー | アドバンスドAVCエンコーダー |
ディスプレーモード | 標準(テレビ)/プロジェクター | 液晶/プラズマ/有機EL/プロジェクター |
ノイズリダクション | BNR/MNR/ランダムNR/ドット妨害・クロスカラー | BNR/MNR/FNR/スムージング/フィルムグレイン |
そのほか | インテリジェント ローノイズシステムLight | SBM for VIDEO、BD-ROM専用画質モード |
パナソニックは、システムLSIに新「ユニフィエ」を搭載し、画質のための処理もさらにアップグレードされた。従来までは画質調整のための機能は必要最小限で、余計な手間をかけなくても、ジャンルを問わず高精細な映像を再現する方向性だったが、システムLSIの性能が上がったため、画質調整機能がかなり充実してきた。
画質モードは従来の標準/シネマ/アニメなどに加えて、ライブモードを追加。またディスプレー種別として、テレビ向けの標準とプロジェクターが選択可能になっている。これによりコンテンツや表示機器に合わせた最適な画質が選べるようになっている。
さらに、ノイズリダクション機能が大幅に拡充。従来はHDオプティマイザーの入/切のみとシンプルだったが、新たに4種のノイズリダクションを個別に4段階の調整が可能となっている。
地デジ放送は番組によってノイズが目立ちやすいものとそうでないものが目立つが、細かく対応が可能になった。こだわり派にとってはありがたいところ。ノイズリダクション自体もディテールの劣化を最小にとどめながらノイズだけを除去する性能が向上。標準状態でオンとなっており、このままでもディテールの欠落は気にならないという。
対してソニーは、高画質回路としては従来からの「CREAS 4」を継続。チューニングの最適化により、さらに自然でノイズの少ない映像再現を目指している。
変更が加わったのは、画質モードの設定。液晶/プラズマ/有機EL/プロジェクターの4つのディスプレーごとに画質設定を用意したほか、モニター種類に加えて、部屋の明るさや視聴距離など、8つのシチュエーションを「おまかせ画質」として用意している。調整画質も従来通り備えているが、基本的にはこれらを選ぶだけで最適な画質で使えるようになる。
画質調整はプリセットを元に変更を加えることもできるが、カスタムモードも2つ用意されている。こちらで自由な調整値をメモリーできる。また、テレビ番組の視聴/番組再生とはBD-ROM再生時の調整値を独立して記憶させられる「BD-ROM専用画質設定」も備える。
アニメモードのようなコンテンツ向けの設定はないが、アニメの場合「アニメ・CGリマスター」と「スムージング」というアニメで目立つノイズや平坦部のグラデーションを滑らかにする機能があり、必要に応じて使い分けることとなる。このほか、映画ではフィルムの粒子感を抑えられるフィルムグレイン調整もある。
こうして見ていくと、コンテンツへの対応度ではパナソニックが優れるが、ディスプレーや視聴環境への対応はソニーが上回る。調整値の多さではソニーの方がやや多いのだが、ノイズリダクションに関しては適応型の処理ということもあって「入/切」のみ。パナソニックの4段階調整の方が個別の番組への対応はしやすい。このように、機能そのものはどちらも互角だ。
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