BDレコーダー10番勝負三本目!! 基本的な使い勝手をチェック
録画予約や番組再生、ダビングといった基本的な操作をどれだけ手軽に使えるか、使い勝手のよさを比較してみた。パナソニック、ソニーともに独自のユーザーインターフェースを時間をかけて練り上げてきており、この勝負はかなり熾烈なものになるはず。
まず、使い勝手の点で注目される高速起動について解説しよう。パナソニックはクイックスタートに標準と省エネの2種がある。ソニーは待機時消費電力が0.05Wとなる低消費待機、標準、瞬間起動の3つがある。
使っていない時間帯である待機時消費電力の削減は省エネ時代の今では重要な要素であり、パナソニックは省エネモード、ソニーは標準として比較したところ、どちらも起動時間は3~5秒で大きな差がなかった。
なお、パナソニックは標準でもそれほどの差はなく、ソニーは瞬間起動ならば1秒以下の計測できない速さで起動するが、待機時消費電力は約22Wと大きい(そのため、瞬間起動の待機時間は6時間程度までに個別指定する)。低消費待機は逆に起動時間が45秒~1分近くなってしまう。
実用上おすすめの高速起動モードで差がつかなかったことから、ここでは対決としては取り上げないこととした。強いていえば、ユーザーの責任で瞬間~1分まで選択できるソニーの方が使い方に合わせて選びやすいと言える。
対決その8 スタートメニューが使いやすいのは?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
まずはさまざまな機能を呼び出すためのスタートメニュー。パナソニックはスマホのメニューのように3×3のアイコンを並べ、使用する機能をそこから選べるようになっている。
アイコンは合計3ページを切り換えることができ、自分がよく使う機能をまとめて配置するなど、アイコン配置を自由にカスタマイズすることもできる。
一方のソニーは、「XMB」(クロスメディアバー)と呼ばれるユーザーインターフェースを採用。ヨコ軸に地デジやBSといったテレビ局、ビデオ(録画済み番組)、ネットワークなどのコンテンツがならび、それぞれを選択すると、使用できる機能やチャンネル、番組リストなどがタテに表示される仕組み。
一般的なAV機器としては独特のデザインで、初めてみると多少戸惑うが、ゲーム機のプレイステーション3などでも採用されているので、これに慣れている人ならばスムーズに使えるだろう。
機能名がきちんと表示されているなど、とっつきやすいのはパナソニックと言えるだろう。ソニーは独特な配置のため、最初のうちは慣れないと目当ての機能がどこにあるか戸惑ってしまいやすい。
また、操作のレスポンスに関してはどちらも互角。パナソニックはページの切り換えもスムーズだし、アイコンの移動もキビキビと動く。ソニーもタテ軸、ヨコ軸の移動がスピーディーで、サクサクと操作が可能で、気持ち良く操作できる。これらの結果から、どちらも十分に手軽に使えるが、初めてのとっつきやすさを考え、僅差でパナソニックの優勢とした。
ちなみに、どちらも初心者にも簡単に操作できるメニューを別途用意している。それについては次回紹介する。
対決その9 番組表が見やすいのはどっち?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
続いては番組表の見やすさだ。パナソニック、ソニーともに番組の表示数は変更可能だが、今回はどちらも9ch表示として文字の読みやすさなどを比較している。
まず大きく違うのは、パナソニックが白地のデザインで、ソニーが黒地のデザインということ。視認性自体に大きな差はないのだが、多くの番組表が白地のデザインを採用することが多いだけに、ソニーの方が多少は独特に感じる。
情報量についてはソニーの方が多い。どちらも番組のタイトルが長いと省略されてしまうが、パナソニックの方が文字が大きいせいもあり、省略の度合いが大きい。ソニーも文字が小さすぎるということはなく、番組の探しやすさという点では有利だ。
スクロールの速さではパナソニックが優位に立った。全体的なスクロールの速さもかなりスムーズだし、日付をまたぐように長くスクロールを続けても、文字表示などが消えることもなくスクロールが続く。
ソニーももたつくというほどではないが、スピードはやや遅い。また日付をまたぐようなスクロールでは選択したチャンネル以外の表示が消えてしまう。このほか、テレビ視聴などの状態から番組表を呼び出したときのスピードは圧倒的にパナソニックが速い。計測しても1秒以下で体感的には“瞬間”と言っていい。対するソニーはボタンを押してからやや間があり、おおむね3秒ほど表示に時間がかかる。
このほか、前日/翌日への移動やチャンネル別表示、ジャンル別の色分け表示など、基本的な部分についてはどちらも互角。強いて言えばパナソニックは視聴中のチャンネルを子画面で表示するが、これのために番組表の上下の幅が狭く、情報量が減ってしまう原因にもなっているので痛しかゆしだ。
結果としては、スクロールや表示の速さが実用上も大きなメリットとなるため、パナソニックの優勢勝ちとした。
対決その10 番組リストの使いやすさは?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
今度は録画番組リストの使いやすさ。基本的な表示はどちらもサムネイル付きのリスト表示だが、パナソニックが9タイトル表示が可能なのに対し、ソニーが最大でも5タイトルほどと一覧性ではパナソニックが上回る。未視聴番組の表示や同じ名称の番組をフォルダーにまとめて表示する機能はどちらも備える。
ソニーの場合、フォルダー表示に切り替えるとジャンル別に番組を整理してくれるが、フォルダーの階層が深くなると、一発で目当ての番組にたどり着くのに手間がかかるようになる。
反面、パナソニックの場合は、タテ/ヨコの操作で表示切り替えができる。左右のタブを切り替えるだけなので快適だ。さらに、どちらもこの画面のまま、BDディスクの表示やネットワークで接続されたサーバー機器があれば、それらに保存された番組の表示が可能。
このため、わずかな差ではあるが、操作の軽快さではやや差があると感じた。機能性で大きな差はなかったが、操作感とタイトルの表示数で優れたパナソニックに軍配が上がる。
対決その11 操作感を大きく左右するリモコン対決!
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★
使い勝手の最後の対決はリモコン。BDレコで一番触る部分だけに、リモコンの使いやすさは重要だ。
パナソニックは上位機種のみの無線リモコンとなり、十字キーもフリック操作などにも対応するタッチパッドリモコンとなっている。
前機種まではタッチパッドと十字キー/決定キーが同じだったので、決定を押したつもりが十字キーの上を押してしまうなど、イライラが募る操作ミスが頻発したが、今回から十字キーが独立し、操作性を大きく改善した。新たに採用されたスマート検索のための「検索ボタン」が追加されている。
ソニーは基本的には従来通りのデザインを採用。スタートボタンの色を目立つオレンジ色としたのをはじめ、十字キーと周囲の機能ボタンの右上にもくじ機能のための「コーナー目次」ボタンを増えた。このほか、いつでも録画番組表示の状態で呼び出せる「録画リストボタン」が加わるなど、細かくボタン配置の変更が行なわれている。
ボタン数に大きな差はなく、ボタンの文字表示の見やすさなどもほぼ同様と感じる。ボタンサイズはパナソニックの方がやや大きく、ボタンの間隔もやや広いが、そのぶんサイズが長いので手の小さい人だと使いにくく感じることもある。
パナソニックはリモコンの向きを気にせず使える電波式が優位となるが、あえて後ろ向きで使うなど極端な向きで操作しない限り、赤外線式のソニーでも使い勝手の差を感じることは少なかった。
ボタン配置の違いは慣れの範囲だと思う。よって、ここでの判定は引き分け。慣れてさえしまえば、どちらも快適に使えるだろう。
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