理由2:Fusion Driveは直感的に、「あの速さ」をイメージさせる
Appleのプレゼンテーションで新しい言葉が出てきました。「Fusion Drive」です。これは、フラッシュディスクのアクセススピードとHDDの安価で大きな容量を同時に叶えてくれる仕組みです。これまでも、「ハイブリッドドライブ」といった呼び名で既に製品化されており、Appleは新たに「Fusion Drive」と名前を付けて、このハイブリッドドライブの市場に参入したことになります。
Fusion Driveでは、128GBのフラッシュディスクと1TBもしくは3TBのHDDを搭載したドライブのユニットを「1つのドライブ」と見なし、OSや、ユーザーの利用状況に合わせてアプリやファイルをフラッシュストレージから利用することで、高速化を実現するという仕組みです。
ここ数年、筆者は15インチMacBook Proを継続して使っています。2010年モデルはHDDでしたが、2012年モデルはフラッシュストレージに変わりました。そこで大きく変わったのは、スピードです。本体の起動、アプリの起動、ファイルのコピーなどの基本動作や、メモリーをたくさん使いキャッシュが発生してしまうような作業など、ディスクに負担がかかるあらゆる作業が高速化しました。
起動や同じサイズのファイルのコピーなどで計測してももちろん速くなっていますが、使い始めはそのスピードの変化を1日に何度も体感するほどで、言うまでもなく、HDDのMacには戻れなくなってしまいました。しかし、フラッシュストレージは依然として価格が高いのです。デスクトップパソコンで、たくさんの写真や動画を保存しようと思っても、フラッシュストレージだけでまかなうにはお金がかかります。
Fusion Driveは、デスクトップならではの大容量と、フラッシュストレージのMacで体験してきたスピードの両方が備わった機能であることが分かります。ノートブック型のMacで体験してきた「あのスピード」がデスクトップで安く手に入れられる。そんな期待を寄せることができる点が魅力です。
現状、通常のディスクとFusion Driveの価格差についてAppleはアナウンスをしていませんが、例えば1万5000円前後の追加であれば、魅力的なオプションになるでしょう。