手書き入力は筆跡を記憶する仕組み、絵文字も手書き可能
さらにもう1つおすすめしたいのが手書き入力。
手書き入力は、名前や旧字のような難読字が変換候補に出ないときお世話になっていた。普通のキーボード入力の補助として使っていたのだが、ARROWS Vで「手書き」をしてみると、その考えをあらためてもいいのでは、という気にさせられた。
日本語はひらがな、カタカナ、漢字に英数字とさまざまな文字が含まれている。「ろ」「3」「Ε」「E」など、似たような形の変換候補も多く、せっかく変換候補の代用として使おうとしても、なかなかお目当てのものにたどりつかないということがある。ARROWS Vでは、そこが恐ろしいほど正確なのだ。
ベースに使われているのは自然言語処理のシステム、前後の文脈から候補を選ぶように指定するもの。そして大切なのは、筆跡のクセと結果のセットを学習させていることだ。ハネやはらいをパターンとして記憶し、自分専用の候補を出している。おかげで日本語、とくに自分のクセや好みにあった候補が、すぐにあらわれるようになっている。
●驚くべき精度の手書き入力
思わず笑みがこぼれてしまったのは、絵文字さえ手書き入力できること。ニコッとした絵を描くと、スマイルマークがちゃんと出る。おかげで手書きがごく自然な行為に思われてきた。この日本語入力はARROWS Vだけでなく、最近の富士通スマホに共通で搭載されている。フリック入力になじめない人は、一度この世界を体感してみてほしい。
●絵文字も手書きで大丈夫
さりげなくユーザーをサポート
日本人らしい気配りあるスマートフォン
2回にわたり、ARROWS Vをこまかく試してきた。感想は、「筋肉質なスペックにもかかわらず、細かな気配りが各所にあふれているスマートフォン」というものだった。
1回目で見てきたように、ARROWS Vはとにかく強力な性能を備えている。しかし、その裏側では、じつに精緻なテクノロジーが動いている。そこで追い求めたのは人間そのもの。人体というきわめて繊細なセンサー(神経)と、機械のセンサーを、どれだけ細かいレベルでつなげるか。ヒューマンセントリックエンジンには、そんな生身の人間をしっかりサポートしようとする考え方を感じる。
便利な機能を満載しているだけに、もっと大々的にアピールすればいいのにとは思うが、そこも黒子を重んじる日本的なところなのかもしれない。
スペックはパワフルな日本男子、エンジンはセンシティブな職人気質。スペックにも、使い勝手にもこだわりまくったARROWS Vは、今シーズンの編集部イチオシモデルだ。スマホの購入や買い替えを考えているユーザーは、見逃せない1台になるだろう!
NTTドコモ「ARROWS V F-04E」の主なスペック | |
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メーカー | 富士通 |
ディスプレー | 4.7型液晶 |
画面解像度 | 720×1280ドット |
サイズ | 約65×129×10.9mm |
重量 | 約155g |
CPU | NVIDIA Tegra 3 1.5GHz(クアッドコア) |
メモリー容量 | ROM:64GB/RAM:2GB |
外部メモリー | microSDXC(最大64GB) |
OS | Android 4.0 |
Xi対応 | ○(下り100Mbps) |
カメラ画素数 | リア:約1310万画素CMOS(裏面照射型)/イン:約125万画 素 |
バッテリー容量 | 2420mAh |
おサイフケータイ | ○ |
ワンセグ | ○ |
NOTTV | ○ |
赤外線通信 | ○ |
防水/防塵 | ○ |
連続待受時間(3G/LTE) | 約670時間/約300時間 |
連続通話時間(3G) | 約500分 |
カラバリ | White/Magenta/Black |