雑然とした机の上などで、どこに置いたか分からなくなったiPhoneを探す「検索機能」は便利だ。iPhone上のG-SHOCK+で「携帯探索」を設定しておけば、自分のiPhoneが見当たらない時に、GB-6900上の右下のボタンを長押しするとBluetooth無線で行方不明のiPhoneを探し出し、事前に設定した好きなサウンドを、iPhoneから任意の音量で再生して居場所を教えてくれる。場所がわかったら、iPhone上に表示されている「Find Me」の脇にある「OKボタン」をタップするか、GB-6900の液晶ディスプレーをダブルタップすれば、サウンドは鳴り止む。
Bluetoothの電波が届き、iPhoneで音楽再生をさせることのできる距離間隔が、iPhoneとGB-6900が通信できる最大距離となる。製品情報サイトのスペックでは、なんとこれが「2m」となっている。一般的なBluetooth電波の飛距離とされる10mよりも、大幅に縮小表現されている。しかし、筆者が自宅マンションで実験した限りでは、8m程度までは確実に電波が届いた。また、電波が途切れそうな距離にiPhoneとGB-6900が離れると、GB-6900のバイブレーションが動作して、オーナーに知らせてくれる機能も搭載している。
また、常に無線電波で正確な時刻に合わせている携帯電話の表示時刻を使って、電波時計機能のないGB-6900を正確な時刻に合わせることもできる。先に述べたとおり、GB-6900の紙マニュアルにはスマホとのリンクに関してはほとんど記述がないが、GB-6900の購入から腕時計の設定、iPhoneアプリの設定まで、製品情報サイトには多くのサポート情報があるので、問題なく実働まで設定できるだろう。
「スマホと連携した腕時計型クライアント」という観点で評価するなら、GB-6900より、先行してソニーから発売されているSmartWatchの方が、機能は数段上だろう。今日現在発売されるスマホと連携する最新の腕時計クライアントなら、着メールの見出し表示なども必要だ。また、完全な日本語対応もサポートがあるべきだろう。できれば一部がメールに取って代わりつつある、FacebookやTwitterのタイムリーなメッセージ表示も、あったほうがいいに決まっている。
スマートフォンは薄く軽くなっているが、サイズ自体は大きくなる一方だ。その機能の一部をウェアラブルなクライアントに切り出して最適化し、腕時計のように時刻も表示できるようにした新しいクライアントハードウエアが、ソニーのSmartWatchだ。一方でカシオのGB-6900は、軸足をあくまで「タフな腕時計G-SHOCK」に置き、本来のG-SHOCK機能を損なわない範囲でスマートフォンとの友好関係を取り込んだ腕時計だ。できることは同じに見えるがそのDNAはまったく違う。
今回の衝動買い
アイテム:カシオG-SHOCK「GB-6900AA」
価格:ヨドバシドットコムにて1万4800円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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