富士通は、2012年10月19日、Windows 8を搭載した新製品を発表した。
女性専用をコンセプトとしたUltrabook「Floral Kiss」や、液晶ディスプレー部を取り外してタブレットPCとしても利用できるハイブリッド型「STYLISTIC QH77/J」をはじめ、9シリーズ19機種をラインナップ。10月26日から順次発売する。
富士通独自の
「ヒューマン・セントリック・テクノロジー」を盛り込む
富士通では、今回発表した新製品において、いくつかのポイントを挙げた。
ひとつは、画面をタッチしなくても快適に操作できるインタフェースを装備した点だ。富士通の齋藤邦彰執行役員は、「視線の動きだけで、ページスクロールするといった視線アシスト機能、手の動きで操作できるハンドゼスチャー機能のほか、大型プラットポイント、ワイヤレスタッチパッドなど、Windows 8を快適に操作するためのヒューマン・セントリック・テクノロジーを採用している。Windows 8を150%楽しめる操作性を実現した」などとする。
個人向けクラウドサービス「My Cloud」
2つめには、富士通独自の個人向けクラウドサービス「My Cloud」(マイクラウド)に対応した製品を数多くラインナップした点も特徴のひとつだとする。
同社では、「My Cloud」において、Photoサービスの強化や、「TV・AVサービス」、「ECOサービス」、「Best Life Support」などの新メニューを発表。また、5GBまで無料で使えるオンラインストレージサービスの「My Cloudライブラリー」や、外出先からスマートフォンで自宅のPCにアクセスできる「My Cloud モバイルアクセス」などの提供も発表した。こうしたサービスを通じて、新たなPCの役割を具現化していく姿勢をみせた。
富士通の大谷信雄執行役員常務は、「この10年でCPU性能は大きく進化したが、利用用途はあまり変化はない。しかし、個人が持つ情報や家庭内の情報は膨大になっている。1年間に1人の人が撮影する写真の枚数は、10年前の50枚以下だったものが、いまでは350枚程度になり、1日に1枚撮影するペースになっている。拡大する家庭内のビッグデータを守り、活用することが重要課題である。
その一方で、ITとネットワーク、端末が相互に連鎖しながら、スパイラルで進化を遂げている」と前置きし、「こうした環境のなかで、新たなPCの役割が求められている。それは、家庭内データセンターとして情報を束ねること、スマートフォンやデジカメ、家電などとデータをシームレスに活用することである。FMVは、Windows 8と、Power & Funの考え方で、新世代PCへと発展させる」などと語った。
長年蓄積してきたタブレット技術を活用
そして、富士通が長年に渡って得意とするタブレット技術を活用した製品をラインナップした点も特徴的だ。
液晶ディスプレー部を取り外して利用できるSTYLISTIC QH77/Jは、「他社のハイブリッド型PCに比べると、タブレットとして使用したときに高性能であることと、薄型であるという点が特徴」(富士通の齋藤邦彰執行役員)とする。
タブレット部は、薄さ12.7mm、重量は約850g。これまでの長年のノウハウを利用して手に馴染みやすくグリップ感の高いデザインを採用するとともに、指でのタッチと、細かい操作に便利なペン入力機能にも対応。約4.8時間のバッテリー駆動を実現している。またキーボード部を接続し、ノートPCとして利用した場合には、約10.7時間のバッテリー駆動を実現した。
一方、タッチパネル方式の10.1型ワイド液晶ディスプレーを搭載したARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jでは、防水(IPX5/7/8相当)および防塵(IP5X相当)対応を実現しながら、9.9mmの薄さを実現。富士通の齋藤邦彰執行役員は、「Windows 8を搭載した防水タブレットとしては世界最薄。お風呂でも使用でき、突然の雨でも大丈夫。さらにOfficeアプリケーションも搭載している。場所やシーンを気にせずにWindows 8を持ち歩ける」とした。
会見にゲストとして登場した日本マイクロソフトの樋口泰行社長も、「富士通は、タブレットには早い時期から取り組んでおり、今回のタブレットは、そのノウハウの集大成になるといえる」などとして、富士通のタブレットでの実績を高く評価した。
世界最薄へのこだわり
さらに、今回のノートPCでは薄さにこだわったのも特徴的だったといえる。ノートPCのLIFEBOOKシリーズでは、AHシリーズの上位モデルとなるAH78/JAおよびAH77/Jにおいてデザインを一新し、20.8mmの薄さを達成。15.6型ワイド液晶ディスプレーを搭載したクアッドコアCPUおよびDVDドライブを搭載したノートPCとしては世界最薄を実現したという。
また、モバイルノートとなるSHシリーズの上位モデルとなるSH76/Jでは、13.3型ワイド液晶を搭載し、光学ドライブを採用しているノートPCとしては世界最薄となる19.9mmを達成した。さらに、UltrabookのUHシリーズでは、HDDを搭載したノートPCとしては世界最薄となる15.6mmしている。
また、デスクトップのESPRIMOシリーズでも、23型液晶ディスプレーを搭載したFHシリーズで、従来モデルよりも約1cmの薄型化、1.6kgの軽量化を実現しているという。
女性専用Ultrabook「Floral Kiss」
今回の新製品で特筆できるのが、女性専用としたUltrabook「Floral Kiss」である。
「従来の女性向けPCは、天板をピンクにしたり、カラーバリエーションで対応したものばかりであったが、Floral Kissは、女性目線にこだわって、細かいところにまで配慮した点で、これまでの女性向けPCとは異なる」とし、爪が長くても開けやすいクラッチ形状のカバーや、真珠を施した電源ボタンの採用のほか、本体デザインと統一した丸い小型のワイヤレスマウスを付属。ホワイト、ライトピンク、ブラウンの3色を用意するとともに、ダイヤカットなどを利用したことでキラキラ感を演出している。
「いつでもお洒落に楽しく過ごしたいという女性のためのPC」と位置づけている。
同製品では、ageteとのコラボレーションモデルも用意される。
会見では、特別ゲストとして、EXILEのMAKIDAIさんのほか、E-GirlsのAmiさん、藤井萩花さん、KARENさんが登場した。
EXILEとE-Girlsは、新製品のCMにも登場。EXILEによる「My Cloud篇」、「メインマシン篇」、E-Girlsによる「女子旅篇」が放映される。
MAKIDAIさんは、「ARROWS Tab Wi-Fiはスタイリッシュで、とても軽い。オンでも、オフでも使える製品」とコメント。Amiさんは、「Floral Kissは、女子心をくすぐり、女子力をあげてくれるPC」とコメントした。


