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画質・録画・ネットワーク・デザイン・サウンド……まさに敵なし

新たなステージへ進化した東芝〈レグザ〉Z7シリーズ徹底解剖

2012年10月25日 11時00分更新

文● 鳥居一豊

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超解像技術+レグザエンジン CEVO Duo+高音質スピーカー
さらに進化した高画質・高音質

 55V/47V/42Vの3つの画面サイズで展開するZ7シリーズは、高画質エンジンに「レグザエンジンCEVO Duo」、そして東芝自慢の超解像技術「レゾリューションプラス7」を搭載。地デジの1440×1080画素のHD映像も、埋もれた信号を復元してより豊かなディテールや色を再現する。

超解像技術をはじめとする高画質化処理を可能にした映像エンジン「レグザエンジンCEVO Duo」

 ここでは、色の濃い映像で見えにくくなるディテールを復元する「カラーテクスチャー復元」、放送の送信時に1/4に圧縮された色信号を4倍に復元する「色の超解像」*13で、豊かな色を再現する。

 そして、入力映像との差分検出により緻密な補正を行なう「再構成型超解像」や、ネット動画やSD画質映像などで使われる、映像信号が似た部分を重ねることで映像の精細度を高める「自己合同性超解像」*14といった、これまでに採用されてきた数々の技術が満載。

 極めつけは、複数フレームの映像を参照して、より精度の高い超解像処理を行なう「3次元フレーム超解像」。これによって、あらゆる映像を高い質感で再現できるのだ。

暗めのシーンなどで、画面に部屋内が写り込んでしまう“画面反射”を低減する「アドバンスドクリアパネル」搭載

新たに追加された「色質感リアライザー」と「色階調リアライザー」

ヒストグラム表示を見ると、従来の輝度ヒストグラムに加えて、緑検出と、人の肌を検出する薄橙色検出を行なっていることがわかる

映像メニューのコンテンツモード切り換え。こだわりユーザーが多い、ゴルフやアニメのためのモードが強化されている

 さらに、Z7シリーズでは、外光の映り込みを低減した「アドバンスドクリアパネル」を採用。照明などの光が画面に映りにくくなり、画面の暗い部分で自分や部屋が見えてしまうようなことがなくなり、コントラスト感の高いくっきりとした映像を再現できるのだ。

 このほか、色再現の向上のため、「質感リアライザー」を強化。従来は輝度(明るさ)の調整が主体だったが、新たに「色質感/色階調リアライザー」が追加され、微妙な色の変化まで豊かに描けるようになっている。

 マニアックな部分としては、アニメモードがさらに強化されている。

 昔のアナログ制作アニメ用の「レトロアニメ」と「デジタルアニメ」の2つが選択可能になった。

 しかも、「デジタルアニメ」は、テレビ放送ではノイズ低減を重視した見やすい画質に、BDソフトならばノイズ低減を抑えてディテールを可能な限り再現したクオリティー重視画質に切り替わるようになっている。アニメファンには注目の機能と言える。

 最高レベルの画質を追求するZ7シリーズだけに、詳細な設定も可能だが、一般ユーザーにもやさしい高画質機能がある。

 それが「おまかせドンピシャ高画質」。

 これは、照明の色や外光など部屋の環境を設定するだけで、自動で最適な画質に調整してくれるもの。

 新機能として、部屋の壁の色も設定できるようになり、さらに環境に適した自動画質調整ができるようになっている。

 ユーザーは、画質モードを「おまかせ」にするだけ。後は特に操作の必要もなく、環境に合わせた最適な画質で楽しめる。画質調整をいちいち操作するのは大変と思う人でも、〈レグザ〉の高画質を堪能できるわけだ。

初期設定で選択できる室内環境設定。照明の色や外光のほか、新たに壁の色の設定が加わった

壁の色の設定画面。各色の系統を見ながら、いちばん壁の色に近いものを選択する

 そして音質。じつは今回、確実に進化している部分でもある。薄型テレビの音質については物足りないと感じている人が少なくないだけに、しっかりと対策が図られている。

 まず、スピーカーユニットには、新開発の35×75mmのフルレンジスピーカーを採用。剛性の高い振動板を採用してクリアで聴きやすい音を実現。ユニット設計を見直すことで、迫力のある低音の再現も向上している。

 しかも、このスピーカーユニットは、内部に独立したバスレフ型BOXに内蔵される。テレビのボディーから独立した構造とすることで振動の影響などを減らしている。

 世界的なデザイナーであるヤコブ・イェンセン監修のZ7シリーズの外観は、ガラス面を大胆にアピールする洗練されたデザインも注目だが、横から見るとスピーカー部分が盛り上がっている。音質向上のためのスペースをしっかりと確保しつつ、優雅なフォルムにまとまっている。

薄さの際立つデザインとなったサイドビュー。専用BOXを内蔵するスピーカー部分が膨らんでいることがわかる

 さらに、東芝のデジタル音響技術を駆使した「レグザ サウンド イコライザー」も加わって完成度を高めている。スピーカーの音の出口は画面に対して下向きの配置となっているが、この配置ではまず置き台に音が反射して視聴者の耳に届くことになり、反射によって音に影響が出てしまうことがある。

 そこで「レグザ サウンド イコライザー」は、反射などによる影響をより自然で聴きやすいものへ補正するのだ。

 音質の補正は、周波数特性の補正をはじめ、音に不要な響きが付加されてしまうのを防ぐ「理想インパルス再現処理」、テレビの前の広いスペースのどこでも心地よい音が再現できるようにする3次元×時間軸解析による「4次元補正技術」を採用。これによって、リビングなどの広いスペースに置いた場合でも、好きな場所で聴きやすい音のまま、テレビを楽しめる。

 このほかにも、スピーカーのある画面の下側からではなく、あたかも画面から音が出ているように補正したり、音に有害な振動の影響を低減する技術なども盛り込まれている。

音声設定のメニューでは、番組に合わせた音質モードの変更や好みに合わせた調整などが可能

自分の好みに合わせて音質を調整できるイコライザー機能も備えている

疑似サラウンド機能には、音楽番組用のライブサラウンドと、映画用のシネマサラウンドの2つが用意されている

 REGZA Z7シリーズは、定評のある画質に加えて、音質もさらにグレードアップしたことで、より臨場感あふれる映像を楽しめるようになった。こうしたテレビの基本である性能がしっかりと磨き上げることで、卓越したテレビ録画機能や、後述するクラウドを活用した先進的なネットワーク機能も存分に楽しめるようになるというわけだ。

*13 外部入力端子からの映像視聴の場合は、480i/pのみ対応。
*14 自己合同性型処理は、1080p/1080iの映像処理には対応出来ません。

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