10月11日、日本ヒューレット・パッカード（以下、HP）はインフラの管理ポータルである「HP Insight Online」を正式オープンした。既存のGen8サーバー以外の対応機種を大幅に増加させたほか、新たにラック内のサーバーの位置情報を自動検出する機能を追加した。
HP Insight Onlineが正式スタート
HP Insight Onlineは、データセンターの効率的な管理を実現する「Project Voyager」から生まれた成果物の1つで、サーバーから通知される情報を元に構成やサービス、保証の管理を提供する無償のポータルサイトになる。自ら情報収集する「自働サーバー」を謳うHP ProLiant Gen8サーバーとともに発表されたサービスだが、10月11日から正式スタートとなった。
「HP Insight Online」を正式オープンした
また、HP Insight Onlineは従来Gen8サーバーのみが対象とアナウンスされていたが、対象機器も大幅に拡大された。旧世代となるHP ProLiant G4～G7やUNIXサーバーのIntegrity サーバー、P6000/4000/2000などのストレージ、HP Networking、UPS/テープライブラリまで管理対象となる。発表会で登壇したHP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー＆ネットワーク製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は、「Gen8のお客様だけではなく、従来のHPのインフラ製品を使っている方はみなさん恩恵を受けられる。Why HP？という点で、他社と比べた大きな差別化となる」と話した。HP Insight Onlineを利用したパートナーとの協業に関しても話が進んでいるという。
HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー＆ネットワーク製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏
サービスの詳細を説明したHP インダストリスタンダードサーバー製品企画部 岡野家和氏は、まず運用管理の効率化において自働サーバーが高い評価を受けていると説明。実際のHP Insight Onlineのデモを行ないながら、「メモリやファン1個の動作や障害まで一目で分かる。通報サービスも連動し、記録として残る」とアピールした。
HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー＆ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 インダストリスタンダードサーバー製品企画部 岡野家和氏
今回はGen8サーバーのポートフォリオも拡充されており、エントリクラスの1ソケットのラックサーバー「HP ProLiant DL560 Gen8」、タワー型サーバー「同BL660c」のほか、4ソケットのラックサーバー「同DL560c Gen8」、ブレードサーバーの「同BL660c Gen8」など4モデルが追加された。
Gen8サーバーのラインナップを拡充
サーバーでもセンサーでの位置検知できる
さらに、ラック内のサーバー位置情報を自働検出する「ロケーションディスカバリ」の機能も追加された。これはGen8サーバーに設置されているセンサーと、ラック内に設置したの専用オプションが連携し、ラック内のU位置情報が検出されるというもの。利用にはラックごとの「ロケーションディスカバリキット」が必要になる。
サーバーが自分の位置を把握するロケーションディスカバリ
サーバーの自働検出にとどまらず、管理ツール「HP Insight Control」を利用していれば、自動的に反映され、一括管理が可能になっている。同社では、ロケーションディスカバリに加え、サーバー内のセンサーの温度を検出する「サーマルディスカバリ」、サーバーやラック単位での電力使用情報（結線や電力）を収集する「パワーディスカバリ」とともに、手作業の削減と電力効率の向上を実現するという。他社の可視化システムやインテリジェントPDUなどでもこうした可視化機能は提供されているが、「他社はサーバーと連動しないので、手動で入力する必要がある」（岡野氏）とのことで、HPが有利だと説明した。
ロケーションディスカバリキットは36Uで2万4150円、42Uで2万9400円となっている。運用管理の効率化を実現するProject Voyagerは今後も続き、12月には「Embedded Remote Support」が追加される予定となっている。
