パナソニックとソニー
ただ、いち早く、9月26日に新製品を発表したパナソニックの場合は例外的な要素がある。
パナソニックのLet'snoteは、法人市場を対象にしており、量販店店頭でのビジネスは主軸ではない。むしろ、いち早く発表することで、法人ユーザーとの商談を開始させるという意味でのメリットがあったといえる。
ソニーについても、10月1日と発表が早かったものの、同社サイト上で主に情報が公開されているのは、カスタム化した製品のネット直販を行なう「ソニーストア」の「VAIOオーナーメード」モデルだ。直販価格は明らかにされていない。
いずれにせよ、両社とも時期をずらすことで存在感を示しており、だからこそ、発表時期を早めてみせたのだろう。
店頭での予約開始時期は10月23日から
一方で、店頭での予約開始時期は10月23日からと決められている。
それまでの期間は、金銭の授受を伴う予約は行なえないという。これもやはりグローバルでのマーケティング施策に則ったものだ。
このため、量販店店頭では、19日から製品を展示しても予約販売はできず、量販店がどこまで積極的な展示を行なうかは未知数だ。
新製品が発表されても、大々的な展示を行なうのは、23日になってからという可能性もある。ユーザーにとっては、それまでは買いたくても買えない、見たくても見られないという状況が続くことになる。
アップルを意識したマーケティング戦略の行方は
こうした一連の施策はアップルを意識したものだといわれている。
しかし、アップルの場合、アップル1社から製品が発表され、そのフォームファクターは限定的だ。他社製品と比較するという購入方法は存在しない。
ところが、Windows 8の場合には、複数メーカーから様々なPCが登場し、コンセプト、ユーザーターゲット、スペック、デザイン、価格が異なる数多くのラインアップが登場することになる。
ユーザーにとっては、なるべく早い段階から、様々な製品を比較検討する時間を設けたいというのが本音だろう。
日本マイクロソフトの発売前のマーケティング施策は、はたして、PCメーカーおよびエンドユーザーにとってメリットがあるのだろうか。疑問を感じざるをえない。
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