このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

最新パーツ性能チェック 第133回

「GTX 650 Ti」はRadeonが得意とする価格帯にどう切り込むか?

2012年10月09日 22時01分更新

文● 加藤 勝明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

消費電力ではFermi世代を圧倒する

 単純な馬力ではGTX560Tiを捕まえきれなかったGTX650Tiだが、今のGPUはワットパフォーマンスも考慮してナンボの時代。そこで「Watts Up? PRO」を使ってシステム全体の消費電力を比べてみた。計測のタイミングはPC起動から10分後、およびBattlefield 3テスト実行から10分後。それぞれの時点での安定値を採用している。
 ついでに「GPU-Z」を使い、各カードのGPU温度も計測してみた。

消費電力(単位:W) ←better

 アイドル時の消費電力はRadeon系が相変わらず優秀だが、GTX650Tiのピーク消費電力はほどよく抑えられており、GTX560Tiよりも約86Wも落ちているのはさすがKepler! と喜びたいところだ。もちろんGTX550TiとGTX650の落差の凄さも凄いが、ゲーム性能とのバランスを考えると、重量級ゲームでもそこそこのパフォーマンスが出るGTX650Tiの方がコストパフォーマンスに優れているといえよう。

GPU温度(単位:℃) ←better

 一方、GPU温度はMSI自慢の強力なクーラーのパワーがふんだんに発揮された結果となった。GTX560TiがGTX550Tiより低く抑えられているのは、テストに使ったGTX560Tiカードがクロックはリファレンス仕様だが強化なクーラーを搭載したモデルだったため。それを抜きに考えても、1年前の安価なGPUより20度近く低温になっているため、長時間安心して使えることは間違いない。

結局どのGeForceがお買い得なのか?

 今回のGTX650Tiは、HD7850は食えなかったものの、エントリークラスに近いHD7770やHD7750に対しては明らかな優位性を示している。昨年までのNVIDIAは、GPUの性能差を大きくしたため、AMDにオイシイ隙間を占拠されてしまった。

Radeon HD 7770やRadeon HD 7750に対しては明らかな優位性を示す「GeForce GTX 650 Ti」

 しかし今年(といっても残すところ2ヵ月もないが)のNVIDIAは、製品の性能を上手く調整し、AMD製品を上手く締め出すことに成功したようだ。この原稿執筆時、リファレンスモデルの想定価格は1万4980円だが、これが1万3000円台まで落ち着いてくれば、低予算ゲームPC用の新たな定番GPUとなりそうだ。

【関連サイト】

【機材協力】

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中