AFの遅さが引っかかるが画質は優秀
機能は十分に備わっているので問題ないが、やはり気になるのは操作性だ。AF速度は動きの少ない被写体ならばそれほど問題ではないのだが、やはり「速く合焦してほしい」と念じながらシャッターボタン半押しを維持するのはストレスがたまる。
一方で、何と言ってもEOSのレンズを使える点は大きい。最近は年ごとに新しいデジカメが出てくるのでカメラ本体の価値は正直下がってきてしまっているのだが、大事なのはレンズ資産だろう。EOS-Mは豊富なEFレンズが使える点が一番の利点だ。
また、ミラーレス一眼の汎用面でも撮像素子は優秀。ボディーサイズがGF3とほぼ同じ大きさで画質はワンランク以上上回っているので、暗いシーンでも安心して撮れる。
他社のミラーレス機と比べるとAFスピードが遅いものの、動きのある被写体でなければそれほど問題にならない。仕事(商業撮影用)と遊びでは要求されるレベルが違うが、遊びに使うには十分だ。タッチインターフェイスも慣れればほかの機種とそれほど使い勝手に差はなく、直感的に操作を行なうことができる。
もちろん画質もAPS-Cサイズセンサー採用ということもあり、Kiss X6iと同等の高画質な写真を撮ることが可能。EOSシリーズの入門機としては十分な性能を持っている。
本体の造りもしっかりとしているし、できるだけ簡単にきれいな写真を撮ることが可能なミラーレスに仕上がっていると思う。
プロ用途ではシーンが限定されるかも
最後に、筆者の本職はプロカメラマンでありその観点から見た感想を言い添えると、ちょっと運用面で苦労する可能性があると感じた。
例えばイベントなどでスナップ撮影を行なうにはAF動作がちょっと遅く、スタジオ撮影ではマニュアル設定時に背面液晶が露出をエミュレートしてしまうので真っ暗になる。
つまり大型のストロボを使うのは無理で、白熱灯や蛍光灯、LEDなどの定常光でライティング必要がある。このように、仕事で使う場合には少しシーンが限定されそうだ。
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