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CEATEC JAPAN 2012 私的レポート

CEATEC JAPAN 2012を30代おっさんが存分に楽しんだ

2012年10月04日 13時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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いきなり趣味のジャンルに出くわすのも
CEATECの楽しいところ

 さて、筆者は加速器が大好きである。小型加速器である放射線治療器のスペックシートと模型を展示していた三菱電機ブースでは、電磁石のサイズダウンの話やビーム精度の上昇など、説明担当者が「突っ込んだ話のできる人がきたよ! 医療方面じゃないけど!!」と表情だったのが印象的だった。

 放射線治療器の導入が比較的容易になった背景には、KEK(高エネルギー加速器研究機構)内にある先端加速器実験施設(ATF)の研究成果がある。実際、加速器建設に当たっては国内のメーカー多数が参加しており、三菱電機もそこに含まれる。

 またその中に含まれる企業として、京セラもある。同社のブースでは、ヒッグス粒子発見で名を知られたCERNでの採用例をアピールしていた。さて、どの部分かというと、BPMs電極端子やサファイアウインドウ、セラミックチャンバーが代表例として展示されていた。いずれも重要パーツなのだが、BPMs電極端子は、荷電粒子の位置検出センサーで、実験にはなくてはならないパーツだ。ほぼ光速の荷電粒子の位置を検出という説明だけでも、要求される技術精度の高さをうかがえるはずだ。

 セラミックチャンバーの用途は、キッカー電磁石部真空容器で解説すると長くなってしまうが、思いきりはしょって説明すると、加速リングからビームを取り出す際の重要パーツのひとつだ。サファイアウインドウは、iPhone 5に採用されたサファイヤレンズと似ていると考えると身近に感じられるかも。特徴として広い波長域の透過性があり、京セラはそのウインドウ作成で高い技術を持っているのだ。

京セラブース中央に大きく展示されていたファインセラミックス技術

BPMs電極端子やサファイアウインドウにはセラミックスが使用されていないように見えるが、真空装置用メタライズ部品で、ファインセラミックスと金属が接合されたものだ。そのため、金属の導電性にセラミックスの高絶縁性と耐熱性を併せ持つ素材になっている

真空装置用メタライズ部品の接合例の展示も。写真の白いパーツ部分が該当しており、正面にある電流導入端子、左にある小さいフィラメント端子と熱電帯対用端子も真空装置用メタライズ部品。また2カ所にある窓にはサファイアウインドウが使用されている

すみません……コンパニオンさんを忘れていました

 見出しの通りで、撮影をすっかり忘れていた。撮影したコンパニオンさんは4名。冒頭カットのブラビアレディーのほか、clarion、TDK、、そして唯一(たぶん)のツインテールであった村田製作所ブースの皆さんだ。

clarion

TDK

村田製作所

平日中心のCEATECだが
最終日の土曜は入場無料!!

 こんなCEATECの開催は10月6日(土)まで。仕事で難しいという人でも、土曜は行けるという人も多いのではないだろうか。最終日は入場無料で、例年混雑している。今回紹介した技術や製品以外にも興味をひかれるものはたくさんあると思うので、だらだらと技術に触れて、ちょっと先の生活スタイルを想像してみてほしい。


筆者紹介──林 佑樹


フリーランスの編集・ライター、ときどきフォトグラファー。 CEATEC名物コラボのキティちゃんをもらい忘れた……

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