メインメニューはHTML 5ベース!
クラウドサービス「TimeOn」の思い切った決断
次いで片岡氏には、クラウドサービス「TimeOn」について伺った。実は、製品発表会の時に「クラウドメニューの画面構成自体が実際の製品ではガラっと変わる」という話を小耳に挟んだのだが、それは事実なのか?
結論としては「そうです」とのこと。しかしそれよりも「このメニュー自体はウェブブラウザーで、メニュー自体はHTML 5で表示しています」という発言に衝撃を受けた。
クラウドメニューは従来の「レグザメニュー」に代わる、いわばメインメニューである。これをウェブベースのものにしてしまったのだ。
UIはサーバー側で簡単に変えられるため、CEATECで展示されていたものとは大幅に変わる可能性があり、実際そうなるだろうとのことだ。
もちろん、ネットに接続しないで使うユーザーのために、オフライン用のメニューも用意するとのことだが、それにしても大きな決断だと思う。
加えて、クラウドメニューはレグザメニューの機能も引き継で搭載している。つまり、録画した番組の再生などのREGZA本体の制御をウェブブラウザーで行なっている、ということだ。
メインメニューをウェブベースにすることのメリットは?
これにより実現できることは多い。例えば、録画した番組とタグ情報(番組内のシーンごとの見出し)のシームレスな連携。視聴している録画済み番組のタグを参照できるだけでなく、タグから番組のシーンを呼び出す「気になる!シーンリスト」も用意する。これこそREGZA本体の制御をネットを絡めて行なえるメリットだろう。
ちなみに、PCやスマホ用アプリとして提供されている「RZタグラー」でユーザーが作成したタグについても、録画番組視聴の際に東芝提供のタグとともに参照できる。東芝提供のタグではフォローされないBS/CS番組や地方局などは、ユーザーが作成したタグが参照できるかも、ということだ。
さらにこのクラウドメニュー、サーバー側で機能を追加すればいいわけで、これまでのAV機器ではありえない継続的かつ大胆な機能バージョンアップにも大いに期待が持てる。片岡氏も「ハードウェアの仕様に関わらない部分については、最新モデルと同様の機能を提供していきたい」としており、とても楽しみな機能である。
下位モデルにクラウドメニューを展開する予定は?
一方で、このクラウドメニューをZ以外の下位モデルに搭載するかについては「今のところ考えていません」とのこと。理由は「フルブラウザーでサクサクと画面表示を行なうには、REGZA ENGINE CEVO DUOなど、ある程度処理パワーがある画像処理エンジンが必要」であるため。
残念ながら新旧含め全モデル、クラウドメニューで機能が共通という理想はしばらくは実現することはなさそうだ。