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19歳女子が見た「CEATEC JAPAN 2012」

2012年10月03日 14時00分更新

文● 相川夏海

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会場にはこんなのも—音声操作ができるエレベーター?

 人の声で動くエレベーターを三菱のブースで見かけた。「タッチレスコール」という技術を使用して、例えば、マイクに向かって「3階」と言葉を発すると、声を認識して3階までエレベーターが動くというもの。会場が騒がしかったため、なかなか聞き取ってもらえなかったが、普段の静かなエレベーター内ではきちんと反応してくれるとのことだ。ちょっとした言葉の訛りも声をはっきり出せば問題なく聞き取ってくれた。

 エレベーターを待つときも、エレベーターを呼ぶためにボタンを押さなくても、センサーに手や体を近づければ反応して、自分がいるフロアまで自動で動いて来てくれるというのも、意外と気が付かなかった親切心。手や目が不自由な方、車椅子に乗っている方、両手に荷物を持った方にとってはありがたいシステム。また、不特定多数の人が触ったボタンを触りたくないという意見もあったという。

音声で登録が終わるとエレベーター上部に行き先が表示される

コンパニオンのおねーさんのデモ

筆者も挑戦してみた。1回目は失敗してしまったが、2回目はバッチリだった

これが21世紀の手押し車だ!

 歩行をサポートしてくれる村田製作所の電動歩行アシストカー。お年寄りを対象にCEATECに合わせて用意された試作機。完成は2〜3年以内を考えているという。ジャイロセンサーと傾斜センサーで、常に真っ直ぐの状態を維持し、傾けた分だけセンサーが反応して電動モーターが駆動して進んでくれる仕組み。坂道でも傾斜センサーがタイヤの動きを制御してくれるので、楽に坂を上っていける。

電動歩行アシストカーの試作機。オレンジ色が女性用、青色が男性用で、ハンドルの高さが異なるのみ

 まだ段差には対応しておらず、今後の課題になっているという。段差を越えるために車輪を大きくすると、電動歩行アシストカーの重心が高くなってしまい、ジャイロセンサーと傾斜センサーでの自立制御が難しくなるという点が大きな壁になっているようだ。

 実際に操作させてもらったところ、力を無理に入れることなく自然に進むことができた。後ろに下がったときは軽く引いただけでアシストカーの動きに勢いが出たため、扱いに慣れていないお年寄りは、危険を感じることもあるかも。ともあれ、押したときの安定感のある感覚は、何ともいえないものだった。来年のCEATECで、さらに進化した姿を見られそうで楽しみだ。

実際に電動歩行アシストカーを操作してみた

 筆者と比較しても、電動歩行アシストカーのサイズは小さくて小回りが小回りがきくが、重さが10キロほどあるので、充電が切れた場合に備えて対応が必要になってくるはずだ。開発途中なので解決すべき課題点は数多いが、将来的には、かごを装着したり軽量化をしたりと開発を進めていくという。

ハンドルにはスイッチが付いており、押している間だけ電動歩行アシストカーが動く。試作機版ではその機能は入っておらず、ちょっと押して手を離すと、単体で自立走行するところが確認できた

スマホがリモコンになる電動車イス!?

 シニア向けの技術として、アプリックスではスマホを利用した駆動系制御系モジュールの実演が行われていた。モジュールを組み込むと、低コストでスマホと連携できるものばかりで、なかでも電動車椅子との連携が興味深かった。スマホ側に前進や後退といったタッチボタンが表示され、電動車椅子を操作できるというもの。ラジコンみたいに感じたが、高齢化と介護する側の負担軽減を考えると効率的な方法ではないだろうか。

半自動操作で見てみるとアプリックスの駆動系制御モジュールを利用した、スマホでリモート操作のできる電動車椅子も展示されていた

スマートフォン側には、ゲームのようなアイコンが。直進や右折など、スイッチひとつで操作できる

電動車椅子のコントローラー機能がすべて、スマホ側でも提供されるというものだった

 今回、筆者は初めてCEATECに取材に行ったが、スマートフォンのような身近なものから、組み込みパーツなものまで、さまざまなジャンルの企業を取材できた。時間の関係ですべてを回ることはできなかったけれど、意外と知識のない自分でも学びながら楽しめたので、女の子もフラフラっといってみるといいかもしれない。

書いた人――相川夏海

なぜかライター見習いになってしまった19歳JD。最近は食べ歩きが趣味になってしまった。文章に女子力がない件について。


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