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もしもツンデレ女子高生がBDを使うことになったら 第4回

お気に入りのビデオをデジタル変換してBDに保存する方法を解説

ツンデレ少女、ついにデレる!? VHS→デジタル変換の基本

2012年10月03日 11時00分更新

文● 藤春都 イラスト●花園あずき

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登場人物紹介

田中葵

頭脳明晰・才色兼備の優等生だが、実は機械がニガテ。前回、赤司にデジタル変換の基本を教わって、少しはデジタルに強くなった……?


赤司

葵の同級生。デジタル全般に強く、機械オンチの葵を手伝ってくれる。葵に一方的にライバル視されている。


お気に入りのビデオが劣化? そんなのイヤ!

「葵ちゃん、眠そうね?」

 昼休み、お弁当を食べながらうつらうつらとしていた私を、友達が心配げに覗き込んできた。
「またバイト入れすぎたんじゃないの?」
「いや、違うの。……昨日は久々にバイトが休みだったから、『勇者一撃ガンファイター』のビデオを久々に見返してたらい深夜になってて」
「あんたアホだわ」

 友達は一瞬だけツッコミ口調になった。

「それに葵ちゃん、月に三回くらいそれ見てるよね?」
「名作は何度見ても名作なのよ」

 このビデオを見て、私は学年一位を奪取すると(現在二位)誓いを新たにしているんだから。
 それに今、我が家のテレビはビデオしか映らないんだもの。故障だと思ってたんだけど、どうも世の中が地上でじたる? に切り替わったから古いテレビは対応していないとかなんとか。
「でも最近、どうもそのビデオの映りも悪いのよね……」
 テレビと同じくビデオデッキも古いから仕方ないけど、修理するほどの余裕は我が家にはないし……。

 そうこうするうちにお弁当を食べ終わり、次の授業の準備をしようと廊下に出たところで、

「葵さん、眠そうですね?」

 唐突にかけられた声に私は慌てて振り向いた。
 いつの間にか隣に立っていたのは、眉目秀麗、万年学年一位、家は大金持ちという無敵の同級生だった。名は赤司。クラスどころか学校じゅうの有名人で、よその学校にもファンが多いって噂の男だけど、でも。

「ビデオを見続けるバイト、お疲れ様です」
「うるさいわね!」

 こいつ、さっきの会話聞いてたわね!?
 この通り性格は最悪。もっとも奴の本性を知っているのはクラス委員を一緒にやっている私だけで、女子はみんな奴の顔を見てきゃーきゃー言ってるけど。

「で、何の用よ?」
「ビデオの映像が荒れているという話ですけど、おそらくVHSのテープが劣化しているのだと思いますよ」
「日本語で言って」
「何度も観ているうちにテープがすり切れてくるんです。見続けるとさらに劣化が進むので、控えたほうが……」
「イヤよそんなの!」
「ですが、大事なテープなんですよね?」

 古いテレビ番組だけど、私にとっては子供の頃の思い出なのよ。確かにそれが劣化すると言われると……。

「ならば映像のコピーを作って保管しておくのはいかがですか。VHSの映像をデジタル化してディスクに焼けば、それ以上は劣化もしませんし」
 そういえばしばらく前の文化祭のとき、こいつは写真やビデオをパソコンで次々に処理していたっけ。……ふっ、私だって学年二位、一度教わったことは忘れないのよ。

「幸い、生徒会準備室に機材もあることですし」

 私用で使っていいのかしらねあれ。ましてや私は使い方知らないし、前みたいにこいつに手伝ってもらうなんて屈辱の極みだし……

「僕は暇なので、葵さんが作業をしている横で機械について独り言を言っていても気にしないでくださいね?」

 こ、こいつは……。
 またこいつの手を借りると考えると腹立たしいけど、今回は愛するガンファイターのためよ。いずれこの借りはきっちり熨斗付けて返してやるんだから。……あれ、それってただの礼儀正しい人間のことじゃない?

「そ、そうよね! 近くにいてもいいけど、なるべく静かにしててよね!」

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