同じオープンエア型とはいえ、
やっぱり音漏れは減っていた!
まず装着感から。従来型のイヤホンは、ハウジングを耳穴に入れて引っ掛けるというスタイルで、それはEarPodsも同じ。ただ従来型はハウジングのエッジが立っていて、そこが耳穴に当たり痛みにつながるケースが多々あった。
EarPodsは、ドライバユニット全体をハウジングがカバーする構造で、ハウジングは曲面で構成されている。だから耳には、点ではなく、面で当たるような感触だ。これで従来型のような痛みを感じるケースは減るのではないか。実際にインナーイヤー型としては、かなり快適である。
ただしオープンエア型なので、まったく遮音性がないのは従来型と同じ。逆に言えば、音も漏れるということ。ただ音の出口を絞ったことで、外に漏れるレベルは相応に小さくなっているはず。実際に他人に装着してもらって、外から聴き比べた感じでも、音漏れは抑えられていると感じた。
その感触を裏付けるために、EarPods、そして従来型“Apple Earphones with Remote and Mic”(2010年11月にソフトバンクから購入したiPhone 4付属の未使用品)の音漏れを簡易計測してみた。正弦波のスウィープ信号(20-22050Hz)を-2dBでWAVに記録し、それをiPhone 4の最大ボリュームで再生。イヤホンを両耳に装着した状態で、左イヤホンから30cm離したところにマイクを立てて集音し、スペクトルに変換するという方法で比べている。
一見してわかる通り、従来型の方が平均してレベルが高い。つまり音漏れが大きいということ。特に注目して欲しいのは、2000-5000Hzあたりの差。このあたりの帯域がいわゆる「シャカシャカ音」の成分で、聴覚の感応性も高い。この帯域は全体的に、従来型に比べてEarPodsのレベルが低く、音漏れもかなり改善されているのではないか。