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今後世界で一番使われるイヤホンの性能はこんなのだ

アップルの新イヤホン「EarPods」 音漏れは確実に減った!

2012年09月23日 14時00分更新

文● 四本淑三

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イヤホンの世界における
ソニー vs Apple

ソニー「MDR-EX90SL」

 ところで、もともとこのタイプのイヤホンを開発し、自社製品に付けて売っていたのはソニーである。アップルに限らず、現在のオープンエア型のインナーイヤーイヤホンは、1982年に発売された「NUDE」が原型だ。

 そのソニーは2006年に最初のカナル型イヤホン「MDR-EX90SL」を発表して以降、この形式のイヤホンを「NUDE EX」として展開。ウォークマンのオマケのイヤホンも順次、このタイプに置き換わっていった。

 カナル型のメリットは、遮音が確保され、騒音にマスクされがちな低域も少ないロスで伝えられること。ゆえに周りがうるさいからといって、オープンエア型のようにボリュームを上げすぎることもない。

 カナル型と言っても、ソニーの場合はチューニング用のバックポートが開いているので、実際には音漏れはある。ただ、以前に比べれば、その量はぐっと少なくなった。しかも音質的に優秀という、万事丸く収まる優れたイヤホンだ。しかしアップルはいつまで……。

やっとアップルも新型イヤホン出してくれたよ
これは音漏れ対策もされているのか!?

 と、ここ何年に渡って、私は心のなかで呪い続けてきたのだが、ここに来てやっとEarPodsが登場したのである。

 アップルはソニーと違ってオーディオメーカーではない。そのせいか音の良さが売りになるとは考えていないようで、広告でも音質を大々的に喧伝するわけでもない。したがってEarPodsも、開発のプライオリティーは音質以外にあったのではないか。

 外観をいちべつしてわかるように、ドライバユニットの振動面は直接見えない。音の出口が2方向開いているが、それ以外はハウジングにカバーされている。チューニングポートは背面に1箇所、ステムに2ヵ所開いているが、ごく小さな穴だ。

ドライバユニットの振動面を耳側に向けて開放していた従来型に対し、EarPodsは音の出口を絞っているのが特徴。耳に直交する方向に小さく一つ、そして耳穴に向けて大きく一つ穴が開いている

ドライバユニットの負圧を逃がすチューニングポートは、ドライバユニット背面に小ささスリット状のものが一つ、ステム部分に二つ開いている

ステム部分にある二つのポートは貫通している状態

 私は即座に思った。おお、これは音漏れに配慮したデザインに違いないぞ! と。そこで早速、音漏れをチェックしてみようと考え、周囲がiPhone 5の発表で沸き立つ中、EarPodsだけを購入した。Apple Storeで送料無料、税込みで2800円であった。

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