ノートPCは、薄ければ薄いほどいいを追究する
最後に大和研究所を持つ日本の代表として、各国のプレスの質問に答えたのが、レノボ・ジャパン ノートブックビジネスユニット事業部 デザイン・ユーザーエクスペリエンスディレクターの高橋和之氏だ。ThinkPad X1 Carbonを始めとした、ThinkPadのデザインについて語った。
高橋氏は法人向け市場がThinkPadの担当するエリアだが、実際に使う顧客のあり方は変化しており、ビジネスマンが仕事にもパーソナルライフにも同じノートパソコンを使うスタイルが一般的になっているとした。こういう背景の下に考えられたのがX1 Carbonのデザインだ。
ひとつの挑戦はバッテリーで、コスト的に有利な円筒型のバッテリーではなく、薄いリチウムポリマーとした。次に熱設計。ここは予期しないことが往々にして起こるという。最後がユーザビリティーに配慮した本体の形状だが、ここはくさび形のウェッジシェイプとして、端子を敢えて増やさず、曲面を利用するという割り切りをもって製品をデザインした。
海外の記者からの質問への回答の中では、薄さを追及する際、平らにするか、角度をつけるかは難しい選択とした。X1 Carbonでは薄さを実感しやすくするため、手前に最薄部を置き、後ろに行くにしたがってキーボード面に角度と傾斜が付けられているが、今後の機種ですべてがこうなるというわけではなく、トータルの雰囲気の中で使いやすいものを適時選択していく形にするという。
Palm Top PC110を大和の取材で見たという別の記者に対しては、国内限定のモデルでグローバルでは展開できなかったモデルと答え、小さすぎるキーボードなどが受け入れられなかったのが理由とした。それではと「気に入っているサイズは?」という質問も投げかけられていたが、これには5mmや7mmといったレベルになれば分からないが、当面は薄さを追求していくべきであるとした。
同時にThinkPadのデザインは開発とデザイナーが一体となって生まれるものであり、堅牢性を維持しながら薄さを実現するために密接な協業が必須であるとも話した。
今回のプレスミーティングは、海外プレス向けということもあり、国内ではすでに既報の情報が多かったが、LaVie Zに素直に驚嘆している海外メディアの顔を見るなど、日本の技術が海外でどう受け取られているかを肌で感じられたのは新鮮だった。