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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第3回

色をデザインする~黒が隠す感情、視覚的トリック

2012年10月29日 09時00分更新

文● 前田知洋

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身の回りにあふれる“黒”が効果的なシーン

 たくさんの観客を目の前にしたプレゼンテーションじゃなくても、黒を使うと効果があるシーンがある。

 例えば初デートで緊張を相手に悟られなくないなら、ネイビー色のジャケットを持っていくといい。ネイビーなら黒と違って、カジュアルにもフォーマルにも合わせやすい。

 財布や名刺入れに光沢のない黒を選ぶと、厚みが分かりにくなる。あんまり名刺入れがパンパンにふくれていると「名刺を配りたくてしょうがないのかなぁ」なんて勘ぐってしまうし、財布は薄すぎても厚すぎても相手に心配をかける。

黒の財布はカード類が多くても意外に厚く見えない

名刺入れがあまり厚いと「配る気マンマン」見えてしまう

 黒い革の靴は出かける前に靴墨をしっかり塗っておくこと。シワや傷を見えにくくしてヨレヨレに見えないし、急な雨や汚れも防いでくれる。長く愛用した靴でもしっかりメンテナンスしてしっかりと黒ければ足元を見られても大丈夫。

 フラッシュや増光LED付きのスマートフォンのカバーは、黒以外を選ぶと光が回り込んでカバーの色がレンズにかぶることがある。どうも最近、スマートフォンの写真の色がおかしいと感じるときは、カバーを外すか、黒に変えてみるといいでしょう。

 日本語では「黒」は「黒社会」や「黒魔術」、最近では「ブラック会社」など、あまり良いイメージはなく、ちょっと誤解されているかもしれません。しかし、黒や紺などのダークカラーと付き合うことで、きっと上手くいくこともあるはず。もう一度見なおしてみてはいかがでしょうか。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす魔法のことば』(日本実業社出版)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、(株)ビジスパからメルマガ「Magical Branding-セルフブランド活用法-」を配信中。

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