外付け3TB HDDはBDレコやテレビで使えるか!?
液晶テレビやBlu-ray Discレコーダーなど、外付けのUSB HDDを接続して容量を拡張できる家電が増えてきた昨今、3TBもの大容量HDDは録画用のストレージとしてはうってつけである。というわけで、最後は国内メーカー各社のテレビとBDレコの3TB HDD対応状況を調べてみた。
まず、テレビに関しては多くの機種がUSB端子を備えているものの、3TB HDDを公式にサポートしているものは現状ほとんどない。現行製品では、東芝の「REGZA S5/G5」シリーズが公式に4TBまでのHDDをサポートしている。
Blu-rayレコーダーはどうかというと、現状はやはり東芝の「REGZAブルーレイ」の一部機種が3TB以上のHDDに対応している。具体的には「DBR-Z260」「DBR-Z160」などメインストリームの機種が対応となる。
ちなみに、地デジ6チャンネルの常時録画が可能な「REGZAサーバー」は3TB HDDには非対応。2TBまでが使えるHDDの上限となる。
パナソニックの「DIGA」とソニーの「BDZ」シリーズは外付けHDD録画対応の機種すべて2TBまでと明記されていた。シャープの「AQUOSブルーレイ」に関しては、対応/非対応の表記はないが、動作確認済みのHDDはどれも2TBまでだった。
結論としては、東芝のREGZAブルーレイのみが正式対応をうたっていた。ちなみに、REGZAブルーレイに3TB HDDを接続した場合の録画時間をスペックを元に算出してみると、DRモードで地デジ番組を約390時間、BSデジタル番組を約247時間記録できる計算になる。さらに長時間録画をした場合だと、最大(10倍モード)でBSデジタル番組を2470時間録りためることができてしまう。
片面一層のBD-RメディアにREGZAブルーレイの10倍モードで記録できる時間は約22時間。計算すると約112枚分を3TB HDDに記録できることになる。コストパフォーマンス的には微妙にBD-Rのほうが勝るが(製品にもよるが、量販店だと50枚入りがだいたい約4000円、20枚入りが約1500円なので、120枚で9500円ほど)、保存スペースとメディアの出し入れという点では大容量HDDには大きなアドバンテージがある。
意地でも家電で3TB HDDを使いたいなら……
バッファローは3TB HDDに対応しない(接続しても認識しない)テレビやレコーダーに向けて、1台の3TB HDDを2TBと1TBの領域に分割し、別ドライブとして見せることで接続可能にするセパレーター機能付きHDD「HD-AMC3.0TU3/V」をリリースしている。どうしても大容量のHDDを使いたい場合は、こうした製品を活用するといいだろう。
また、家電機器でHDDを使う際、注意をしたいのがフォーマットと管理領域だ。GPTディスクに一度変換されてしまうと、レコーダーなどで認識されなくなってしまう場合がある。このため、アイ・オー・データ機器やバッファローは、家電用の独自フォーマットツールを用意している。
たとえば、アイ・オー・データ機器が提供している「ハードディスクフォーマッタ」は、家電用に製品をフォーマットする「家電モード」を備える。これは、パーティションや管理領域をまるごと消去して、まっさらな状態にするためのモードで、PCで使っていたHDDを家電に流用したいという場合に便利だろう。
PCの敷居は下がりつつある3TB HDD導入
家電は今後に期待!
以上、3回にわたり3TB HDDを見てきたが、強く感じたのは従来のHDDに比べて必要な環境が大きく変わってきたな、ということ。
読者の多くは、メモリー制限のある32bit OSから64bit OSへと移行していることと思う。そのため、3TB HDDを利用するためのハードルはそれほど高くないのではないだろうか。
反面、家電に関してはまだまだ大容量のHDDに対応できていないものが多い。今後の対応には期待したいところだ。
そうした状況を踏まえても、大きな魅力がある3TB HDD。価格的にも充分買いやすいところまできているので、個人的にも1つ買っておこうと思う。
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