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装着感も画質も大進化! ソニーの新HMDを最速レビュー

2012年09月11日 13時10分更新

文● 鳥居一豊

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装着もよりスムーズに
調整や操作もより使いやすく改良

左がHMZ-T1、右がHMZ-T2の装着イメージ。T2のほうが密着度が高くなっている

 さっそく装着してみよう。基本的な装着の仕組みは1号機と同様で、後部から伸びるバンドを後頭部に当て、バンドを締めるというもの。ヘッドマウントディスプレーをおでこと後頭部の上下2ヵ所、計3点で固定する。

左がHMZ-T1、右がHMZ-T2の頭部固定ベルト。HMZ-T2は装着しながら長さを調整できるスライド機構(ボタン)が追加されている

 固定のためのベルトも改良されており、スライド機構の追加でバンドの長さを装着した後でも調整できるようになった。従来に比べて調整しやすいのはもちろんだし、外れてしまうこともないので使い勝手がいい。

 装着した感じとしては、今までのおでこの1点で重さのほとんどを支えているような感じではなくなった。そのため後頭部のバンドをきつく締める必要も減り、従来のぎゅうぎゅうに締め付ける感じからすると、ピタっとはめる程度の圧力で問題なく使えた。

 まず装着すると、画面に調整用のチャートが表示され、目の位置に合わせて左右のディスプレーの位置を動かす。これが左右独立で調整できるようになったのも改良点。従来は左右が連動して動いてしまうため、右目に合わせると左目がうまく合わないというようなことも起こっていた。

 それぞれに目に合わせて調整できるため、映像を映したときも両目のそれぞれに映し出された映像がぴったりと重なり、画面の周辺がぼやけて見えるようなことが大幅に減っている。このおかげで視聴時の快適度を抜群に高めてくれる。

ヘッドマウントディスプレー下部の操作ボタン類を比較。左がHMZ-T1、右がHMZ-T2。T2では音量調整ボタンが左側に配置されている

 そして、操作ボタンも配置が変更された。従来は右側にメニュー操作ボタンや音量調整ボタンがまとめられていたが、HMZ-T2では右側にメニュー操作ボタンと電源ボタン、左側に音量調整ボタンと分かれている。これで誤操作を減らし、視聴中の音量操作などがわかりやすくなっている。

 最初はあるべき場所にボタンがなくて戸惑ったが、一度わかってしまえば手探りでボタンを確認する必要もなく、より簡単に操作できるようになっている。

 実際に使ってみると、装着感や操作のしやすさはかなりの部分で改良されていることが改めてよくわかる。1号機で感じた不満の多くがきちんと改善されていると感じた。

意外に地味だが効果絶大! 遮光カバーの進化

HMZ-T2に新たに追加された上部の遮光カバー。これが意外と効果絶大

HMZ-T2に新たに追加された上部の遮光カバー。これが意外と効果絶大

 HMZ-T2の大きな進化点がもうひとつある。それは遮光のためのカバー。従来は下部だけだったが、HMZ-T2では上下に遮光カバーの装着ができるようになった。

下部遮光カバーをつけた状態のHMZ-T1(左)とHMZ-T2(右)。T1は目の下のみをカバーするタイプだが、T2では鼻を含む目の下全域をカバーする

 下部の遮光カバーもより遮光範囲が大きくなっているし、上部の遮光カバーのおかげで明るい部屋で使っても外光が気になることが少なくなった。

 従来は上部からの光の侵入があり、筆者がメガネ着用者ということもあって、パネル面とメガネのレンズでの光の乱反射が気になることがあったのだ(ひさしの大きい帽子をかぶるという対策方法がある)。これが上部にも遮光パネルが付くことで、明るい部屋でも光の乱反射はほとんど抑えられるようになった。

 部屋の明かりを消したときのように、完全な真っ暗闇を実現できるわけではないが、暗室でヘッドマウントディスプレーを使っていると、ちょっとトイレに行ったり、飲み物を取りに行くときに支障が出やすいので、使いやすさは高まったと言える。もちろん遮光性が高まり、余計なものがほとんど見えないので、映像への没入度も高まっている。

 まあ、従来は下側の遮光パネルのすき間があったため、飲み物くらいは問題なく飲めたのだが、HMZ-T2ではかなり難しくなった(ストローが必要になると思われる)。そんな場合はいさぎよく遮光パネルを外せばいいのかもしれないが。

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