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筺体のコストは倍、キートップは業界トップレベルの仕上がり

ThinkPad X1 Carbon、薄さと軽さの秘密

2012年08月30日 17時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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軽量・薄型化のために取り組んだ4つのポイント

 ThinkPad X1 Carbonは、ThinkPad史上最薄を標榜した「ThinkPad X1」のコンセプトをさらに進化させ、堅牢性や操作感を維持しながら、これまでにない薄さと軽さを追求した製品となる。執行役員常務の横田聡一氏によると、その実現のために「キーボードの薄型化」「冷却ファンの薄型化」「無線LANカードやSSDの小型化」「最高級カーボン材の使用」といった取り組みがなされたという。

ThinkPad X1 Carbon(上)とThinkPad X1(下)

画面サイズが14インチと大型化したが、フットプリントは逆に減っている。300nitと高輝度かつ1600×900ドットの液晶パネルを採用。電源ボタンを始めとした機能ボタンの配置が異なるが、これは内部レイアウトが関係しているという

 数値で見ると、X1 CarbonはX1の21.3mmから18.8mmと12%薄型化、約1.69kgから1.36kgと約20%軽量化している。重量面ではカーボンファイバー素材(181g減)、キーボード(33g減)、ファン(21g減)の変更による効果が、その75%を占めた。

 特にトップカバーに使用した最高級カーボン材には、製品名にも反映されているようにこだわりぬいている。薄型筺体でも液晶パネルの強度を保つため、X1で使用していたゴリラガラスは、代償として本体の重量が増すという側面があった。硬いカーボン材により、同等以上の堅牢性を維持しながら、軽く薄い筺体を作ることができた。。

キーストロークを薄型化しても、ただでは起きない

 まずキーボードについては、ThinkPad X1に対して0.8mm薄い4.8mmとし、30g軽い115gとした。このためにキーストロークを従来の2mmから1.8mmに減らしつつ、交換機構をなくし、筺体のパームレスト面に直接各キーに対応した穴を開ける方式にするといった取り組みを実施している。ただし、薄型化のために打鍵感を犠牲にすることがないよう、パンタグラフ自体を改良している。

キーボードの構造について。パンタグラフを改善している

 かつベースプレートの溝にメンブレンシートが入り込むソフトランディング構造とし、左右の回転方向、上下の厚み方向の両方でガタ付きが生じにくく、ハジ押し、底打ちといった疲労の原因となる要素を低減している。

周囲に隙間が少なく美しいキートップ

薄型化してもキーボードバックライトなどは装備している

 その成果はキートップの周囲に端的に表れており、X1 CarbonではX1よりもキーと周りの隙間が大幅に狭くなっている。この点に関しては機構設計の大谷哲也氏も「業界トップレベルの仕上がり」と自信を示す。また、キーボードと筺体が一体化しているという特徴を生かし、バスタブのフレーム部分にゴム製パッキンを追加。防滴性能の向上も狙っている。

冷却機構(空冷ユニット)の比較。小型化と薄型化が進んだ

1000~4000Hzの耳障りな騒音を減らせている

 空冷ユニットに関しては、X1よりも1.7mm薄い5.5mm厚とし、多さも21g軽い45gとした。ファンを小型化すると排熱に利用するブレード(羽根)が小さくなるため冷却性能が落ち、より高い回転数が必要となる。また、排気口付近のフィンにホコリがたまりやすくなる。そのため空冷ユニット内部の乱流を減らす整流板を設けたり、フィンにアースを付けて静電気を除去するといった改良も加えている。これらは5月に発表されたIvy Bridge世代のThinkPadでも活用されている技術だが、設置スペースに制限のあるX1 Carbonでは特に効果が高いものと思われる。

小型化した無線LANモジュールとSSD

 無線LANカードやSSDの小型化に関しては、パートナー企業と協業して専用モジュールを開発。無線LANカードで約25%、SSDで約90%面積を小さくした。これらはWiMAXモデルを用意できない、ユーザーによるSSD換装ができないという制約にもつながっているのだが、小型軽量化には必要な要素であった。

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