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メイドロボも間近!? ロボット掃除機の実力を見よ! 第1回

ロボット掃除機6台が激突!

ロボット掃除機はハウスメイドの夢を見るか? 徹底的に検証した

2012年08月29日 15時00分更新

文● 藤山哲人

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CCDカメラで部屋の構造や自分の位置を認識!
早く確実に掃除するLGエレクトロニクス「HOM-BOT 2.0」

 iRobotのルンバと対極的なロボット掃除機がLGエレクトロニクスの「HOM-BOT 2.0」だ。ルンバはランダム走行で、1時間ほど時間をかけて掃除すれば部屋のほとんどがキレイになるという「確率」に頼っている部分があるが、HOM-BOT 2.0はCCDカメラを内蔵し、部屋の様子や自分の位置を認識し、「早く、確実」に部屋を掃除するというアプローチを取っている。市場価格はおよそ6万円程度だ

ルンバと対極的なLGエレクトロニクスのHOM-BOT 2.0。カラーリングが赤だけに、他の掃除機より3倍早いのか!?

走行パターンは部屋を縦横に掃除する
矩形ジグザクで高速

 HOM-BOT 2.0の特徴は上部についているCCDカメラで天井を写し、部屋のエッジやシーリングライト(照明)の位置、そして家具のエッジなどを判断して、今自分が部屋のどこを掃除しているかを空間(平面)認識しているようだ。本体下部にもCCDカメラが搭載されていて、移動距離や床のゴミなどを監視している。

上部に設けられたCCDカメラ。天井のエッジや照明などの位置関係を画像解析して、部屋の認識と自分の現在位置を把握する

下部のCCDカメラは、移動距離や床のゴミの状態を検知する。光学式マウスの受光部がCCDカメラに置き換わったようなもので、走行中は赤いLEDで床を照らし出す

 このように自分が部屋のどこを掃除しているかを認識しながら掃除するため、人が掃除をするイメージに近い動きをするのがHOM-BOT 2.0の特徴だ。つまり掃除機をかけていない領域だけを、最短距離でジグザクに走行するのだ。

 自動運転モードには、部屋をよりキレイに掃除する空間拡張モードと、早さ重視のジグザグモードがある。

LG空間拡張

LGジグザグ

 空間拡張モードは、部屋をおよそ3m四方のセルに分割し、そのセルごとに掃除する。実験では2m四方の領域だったので、ジグザクモードと同じような動きを見せるが、よく見ると壁づたいを掃除してからその領域内を掃除しているのが分かるだろう。

 一方ジグザクモードは、部屋をセルに分割することなく部屋全体をジグザクに走行して掃除するようになっている。

 いずれの場合もランダム走行と違い、掃除機を掛けていない部分のみを走行するので、掃除にかかる時間が極端に早いのが特徴だ。 では、どれだけキレイになったのかを見てみよう。

空間拡張モード

四隅には若干のゴミが残る

ジグザクに対して垂直方向のエッジにはゴミが残りがち。綿ゴミのようなものであれば、これほどは残らないだろう

中央部もビーズを弾き飛ばしてしまったビーズがわずかだが残っている

充電台も大きく迂回するので、ここにもゴミが残る傾向にある

 充電台回りと四隅に若干のゴミが残るも、部屋の中央のゴミはほぼなくなっている。早さのわりには、かなりキレイに掃除しているといえるだろう。

ジグザグモード

空間拡張モードと同様にコーナーとジグザクに対して垂直なエッジにはゴミが残る

本体の幅未満の最後の1ラインはゴミがそのまま残ってしまう

中央部にも若干のゴミが残る

 ほぼ空間拡張モードと同様にキレイになるが、ジグザグ運転の最後の1ラインは、本体の幅未満だと掃除をしてくれないようだ。よほど急ぎでもない限り空間拡張モードで掃除するといいだろう。なにしろ、空間拡張モードでも他のロボット掃除機に比べると段違いに早いからだ。

 このように部屋の探索を左手や右手の法則を使っていない(空間拡張ではセルの輪郭を右手の法則でやっているような感じもする)ため、前方の集塵ブラシは左右にあり幅広くゴミを集めるようになっている。

前方の集塵ブラシは左右2本、吸い込み口のブラシは起毛ブラシとゴムブラシが1本にまとめられている

 なおHOM-BOT 2.0は自動運転以外にも、スポットモードも備えており直径2mの範囲を集中的に掃除するモードも備えている。

LGスポットモード

 さらにLGエレクトロニクス独自の機能として、掃除を一時中断して本体をどかした場合でも、元の場所に戻せば(だいたいでいい)前回の中断位置を探索し、そこから掃除を再開するという賢い機能がある。床に洗濯物の靴下が落ちていたなどで、掃除機がエラーを起こしてしまった場合に便利に使えるだろう。

LG中断位置再開

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