ロボット掃除機6台が激突!
ロボット掃除機はハウスメイドの夢を見るか? 徹底的に検証した
2012年08月29日 15時00分更新
ランダム走行の代表選手ルンバは
毎日掃除をさせると最強!
ここで紹介するのはルンバの最上位モデル780だ。ロボット掃除機の老舗メーカーiRobotの製品で、アメリカで発売された当初はロボットGeek(英語で言うとこの“オタク”)の格好の餌食となり、かなり改造されまくっていた(筆者も欲しかったのだが2007年頃は日本で販売されていなかった……)。後に日本での正規代理店ができて国内で発売されるやいなや、ロボット掃除機の代名詞となるほど人気となる。市場価格はおよそ5万5000円程度。
ルンバ内蔵のゴミセンサーで
細かいゴミを発見するとそこを重点的に掃除する
走行パターンは基本的にランダム。まっすぐ進んで壁にぶつかると角度を変えて別の方向に進むという方式だ。それに加えて広い空間を見つけると中心部から渦巻状に広範囲を掃除するスパイラルや、壁づたいを掃除するパターンも組み合わせている。また、お菓子の食べこぼしなど、ゴミの多いところを見つけると前後に50cmほど往復をはじめ、集中的に掃除する賢いヤツだ。どうやって判断しているのかは不明だが、テーブルの足などにぶつかると足の周りを周回する動きも見せていた。
走行パターンは言葉で説明するより、映像を見てもらった方が分かりやすいだろう。ここでは2m四方の囲いを作って、その中に擬似ゴミを均等にまき、どれだけキレイになるかを調べてみた。
汚れている部分を集中的に掃除をするルンバのランダム走行シーン
ムービーを見ても分かる通り、ルンバは時折「ある箇所を前後に動く」という挙動を見せる。これはそこが汚れているとルンバが判断したために、集中的に掃除を行なっている動作だ。ルンバにはゴミセンサーが内蔵されており、お菓子の食べかすなど発見するとそこを集中的に掃除するのだ。なかなか賢い。
さて、2m四方の掃除の結果は、部屋の四隅と一部にゴミが残るものの、ほとんどのゴミを吸い取った。ただし利用した擬似ゴミは、小さなビーズを使っているので、前方にある回転ブラシで跳ね飛ばしてしまうことがある。そのためホコリや髪の毛などいった普通のゴミであれば、写真よりキレイに掃除できることを付け加えておこう。
ルンバのゴミ吸い込み機構は、ゴムの回転ブラシとナイロン製の毛を持った回転ブラシの2段階になっている。加えてバキュームポンプで掻き集めたゴミを吸い取るので、フローリングだけでなくカーペットや畳などもきれいに掃除できるようになっている。
ルンバ前方についているゴミを集めるブラシは、右側に1つだけ。家電量販店などでロボット掃除機を見たことがある読者は、「ブラシ1つでゴミを集められるのか?」という疑問を抱くだろう。これはルンバが基本的に「右手の法則」で壁づたいを掃除するので問題ない。ロボット掃除機にとって部屋の空間は、イスやテーブルなどの障害物などがあるダンジョンそのものなのだ。
そこで迷路のようなダンジョンを確実に抜けられる「右手(あるいは左手)の法則」を使っている。これは迷路のゴールが中央ではない場合に有効な手段で、常に右手(あるいは左手)で壁を触りながら歩き回れば、必ずゴールにたどり着けるというものだ。こうしてルンバは右手の法則を使って障害物を回避し、部屋全体を掃除しているので、壁は常に右側にあるため、ブラシは右1つでいいというわけだ。
サボリがちな掃除もルンバなら毎日できる
さて「ランダムな走行パターンは、掃除をしていない領域ができてしまう」と思われがちで、実験結果からも掃除していない領域が明らかになった。しかし、これはさほどハンデにならない。なぜなら自分で掃除するなら1週間に1回とかサボりがちになってしまうが、ルンバなら毎日掃除できるからだ。つまり今日の掃除では掃除していない領域があっても、明日の掃除でそこはキレイになるというわけ。
ただ、毎日掃除をする奇特な読者は、掃除をしていない領域を問題に思うかもしれない。しかし、ここはASCII.jpだ。毎日掃除する時間なんてあるわけがなく、趣味に勤しんでいる人がほとんど。今日ルンバが掃除できていない部分があろうと、明日掃除してくれるのだから、実用上まったく問題ないといっていい。
さてここまでは、部屋全体を掃除する自動モードを見てきたが、工作したりポテチを食べながらテレビを見たりしたあとで、足に刺さるゴミを掃除するには、スポットモードが速くて確実だ。操作は簡単で、ルンバを掃除したい領域の中央に置いて、スポットモードで運転するだけ。あとは螺旋を描きながら直径1.2mほどを10分で掃除してくれる。工作仕事が多い筆者にとって、これは非常に役立つ機能だ。
細かいゴミを螺旋状に掃除してくれるスポットモード
ルンバ独自の掃除方法として「ライトハウス」モードというものがある。部屋と部屋の境を示すマーカーを床に設置すると、ルンバは1部屋目を掃除したら、次に2部屋目に入って清掃する機能だ。ランダム走行するロボット掃除機でも、この機能を使うと掃除し残し領域が少なくなるばかりか、掃除が終わったりバッテリー残量がなくなったときに、確実に充電台に戻れるというものだ。
逆に言うと、ランダム走行する掃除ロボットは、2部屋を掃除させてしまうと充電台を見失い2部屋目で迷子になってしまうことが多い。
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