バトルが随所で見られる
鈴鹿サーキットの西コース
一般観戦席で行ける西コースの名所は、シケイン手前の130R、ヘアピン、200R、スプーンカーブ、西ストレート(バックストレート)。今回は130Rは紹介していないが、これには理由がある。近くてそこそこ撮りやすそうに思えるが、車両の進入がエキゾーストノート(排気音)でしかわからないため、実は慣れていないと撮りにくい。そのため今回はスルーした。
というわけで、ヘアピン、200R、スプーンカーブ、西ストレートの撮影ポイントを紹介していく。また写真にはそれぞれ撮影データを掲載しておくので、参考にしてもらいたい。スプーンカーブまでは、正面ゲートから約3kmほど歩く点に加えて、ヘアピン以降、自販機も売店もないのがお約束なので、事前に腹ごしらえと水分を確保しておこう。
撮影スポット説明前に
ボディーの設定とレンズを確認
冒頭でも書いたが、オート設定のままではかっこいいレース写真は撮りにくい。完全に正面やバックショットであれば、ブレもなく安心なのだが、真横や斜めといったアングルの場合だと、ホイールが回転しておらず「停車時」を撮影した感じになってしまう。というか、よく知らない人が見ると「停まってるところを撮ったの?」とまず言われる。
以下、レース写真については、撮影データを掲載していく。表記ルールは、焦点距離、シャッター速度、絞り、露出補正、ISO感度の順。「280mm 1/500 f5 -0.7EV ISO50」というように表記している。また、焦点距離はEXIFデータのもの。実焦点距離はその値を1.5倍にしたものになる。
まず設定は、オートモードから脱却して、シャッター速度優先モード(Sモード、Tvモード)に切り替えよう。そしてシャッター速度は、まず1/250にしてみよう。ヘアピンは距離が近いため、1/500でもいい。そして手ブレ機能はオフに。なぜかというと、横振りをすることになるため、手ブレ機能がオンになっていると、成功したのにカメラ側の補正で失敗した絵になってしまうからだ。
ISOについては、お天気次第だが、基本的には一番低い数値を選ぼう。逆に真正面や真後ろからのショットを撮りたい場合は、ISO400~800にしてシャッター速度を1/1250以上にしよう。慣れてきたらマニュアルモードが一番だが、ハイエンド機種は別として、マニュアルモード時に露出補正ができないボディーも存在するため、Tvモードを推しているわけだ。
以下の写真4点は、ほぼ同じ焦点距離からシャッター速度を変更していったもの。低速になるにつれて、タイヤだけでなく、背景が流れ始める様子がわかるだろう。
レンズは、イメージ的に白色の高価格でゴツイのが必要と思いがちだが、あながちそうでもない。エントリーモデルからミドルモデルまでは、APS-Cで35mm換算すると、記載倍率よりも1.5倍の計算になる。つまり、300mmまでのズームレンズであれば、450mmになる。まったく問題はないし、広く撮りたい場合は広角側に切り替えればいい。
晴天下のレースでシャッター速度を落として流し撮りをする場合、絞りはF8~F10前後になるため、キットレンズであっても明るさ的には問題なく、意外とサーキット撮影の準備は早い段階で整っているのだ。なにより白色のお高いレンズよりも軽いため、レンズを振りやすく、フォームを身につけるに適している。