最新端末を丸裸！　スマートフォン定点観測 第7回

3強スマホ（GALAXY／HTC J／AQUOS）のカメラ徹底比較

従来機種との違いは少なめ
ただし高速起動が0.4秒！　AQUOS PHONE Xx

　AQUOS PHONEは国内メーカー製端末らしく、撮影できるシーンが豊富にある印象だが、実は数自体はHTC Jと同じで、GALAXY S IIIに負けている。個人検出とペット検出は従来機種同様搭載。HDR撮影も可能。AFには顔優先とチェイスフォーカスがあったりと機能は豊富だ。

シーンやさまざまなカメラなど、国内メーカー製スマホとして標準レベルの高機能さだ

　ただし目新しい機能はとくに見当たらない。強いて挙げれば動画撮影に背景や顔にエフェクトをかける「効果」、撮影間隔を変える「微速度撮影間隔」が用意されており、これはスローモーションとは逆に早送り撮影のようなことが可能だ。

　高速撮影では「連写カメラ」にすることで、撮影間隔を短くバンバン撮影できる。高速起動は約0.4秒とHTC Jを上回る早さ。実際に使ってみると、カメラアイコンをタップした次の瞬間にはもうシャッターを切れるという感覚だ。HTC Jと比べると、画面の動きがAQUOS PHONEのほうが一段と速く感じる。見ていて気持ちいい。ただし実際に使う場合は指の動きが追いつかないので、起動からシャッターを切る時間は実は大きくかわらないかもしれない。

　編集機能などは、本連載の第3回で紹介した「AQUOS PHONE st」と多くが共通している（関連記事）。標準のフォトスタジオだけでなく、「おまかせアルバム」を使うことでエフェクト風の変化のほか、明るさの調整、トリミングや傾きの調整といった補正から、手書き機能やスタンプなど写真のデコレーションまで可能になる。

おまかせアルバムを使うと、なかなか凝った編集も可能になる

　動画編集ではMovie Studioというアプリがあり、これは動画をつなげたり、切り替えにアニメーション（トランジション）を入れる、といった機能がありHTC Jのムービーエディタよりも機能は多くて便利だ。

画質をチェック！
スペックで上回るAQUOS PHONE Xxが若干有利か？

　それでは3機種で同じ被写体を撮影して比較してみる。撮影シーンやモードは標準あるいは自動を選択して撮影している。

GALAXY S III

HTC J

AQUOS PHONE Xx

　以前テストを行なったミドルクラスの端末と比べると（関連記事）、色がくっきりと映し出された。HTC JとAQUOS PHONE Xxは比較的似た写真となり、GALAXY S IIIより鮮やか。

　ただほんの少しAQUOS PHONEのほうが明るめに撮れていて、また実際の物に近い色と感じる。HTC Jのほうはウサギのぬいぐるみが少々黒緑の部分が多く汚く見える。

　GALAXY S IIIは一番明るく撮れているものの、白飛びしやすい印象。ただし蚊取り豚の中の線香のススまで鮮明にわかるのはこの機種だ。

カメラを毎日使うのなら高速起動にこだわりたい
GALAXY S IIIも対応していてほしかった……

　ハイスペックな機種ということで、カメラ機能に期待をしたい人も多いと思うが、他のスマートフォンと比べて、大きく異なる、あるいは強い独自色のある機能は少なく、非常に細かな部分の差でとどまった。ただしどの機種も「あの機能がない！」という部分は見られず、この3機種のいずれを選んでも、カメラ機能でガッカリすることはないだろう。

　ただし今回は高速起動の部分でAQUOS PHONE XxとHTC Jが明確に上回った印象だ。高速起動・高速撮影は最近のスマートフォンの注目機能であり、実際に貴重な一瞬を撮り逃ししないという部分で非常に有益だ。となると、ハイエンド端末でGALAXY S IIIのスペックを考えると、アイコンをタップしてからの高速起動を実現しておいてほしかった。

　この3機種では最終回となる次回では、気になるテザリング利用時のスタミナ、ワンセグの性能、さらにプリインアプリをチェックする予定だ。

■関連サイト

• NTTドコモ
• au
• ソフトバンクモバイル