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あいつら、未来に生きてるぜ!MMDの魅力を徹底解説 第3回

絶対見るべきMMD傑作選 クオリティーはもうプロ超え!?

2012年09月01日 12時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3) 協力● kawara(@kawaraSAN

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完成度を異様なまでに引き上げた「三次元化PV」
「Chaining Intention【PV】」(作者:まさたかPさん)

 2010年2月13日投稿。原曲は、2008年11月に登場し、ポップで奇抜な曲調で多くのニコ動ファンをうならせたTreowさんの「Chaining Intention」(関連記事)。そのイメージを見事に映像化したのが本作品だ。一目で分かるのが、商業用の3DPVといっても過言ではない映像作品としての完成度の高さだろう。ビビッドな色使いや次々と切り替わるシーン、Lat式ミクのかわいさなどに目を奪われてずっと見ていても飽きない。見る側にも大いに受け入れられて、ニコ動での再生数はTreowさんが投稿した本家の倍以上になった。

 まさたかPさんは、MMDをきっかけに映像作家としても活動するようになる。Treowさんとのタッグで作ったマイクロソフト用のイベント映像「Through the window」をはじめ、柴咲コウさん、DECO*27さん、TeddyLoidさんのユニット「galaxias!」、サンリオのシナモロール10周年を記念したオリジナルソング「シナモンのパレード」、アイドル・吉川友さんを3D化した「ここから始まるんだ!」など、いくつかのPVに参加した。今後の活躍も目が離せない。

あまりにおしゃれな色使いと表現にド肝を抜かれました。

Interview with まさたかP――
「音の誕生と消失の繰り返しをモチーフにした」


── 動画を作ったきっかけは?

ボーカロイド曲であまりPVが作られなそうなジャンルを探していたら、Treowさんの素晴らしい原曲に出会ったのがきっかけです。もともと自分が好きなボカロ曲でMMDのPVを勝手に作っていたんですが、ほかの方が上げられたPVと曲がかぶることが多かったんです。そうした比較対象になるのを避けたかったので、新しいジャンルを見ていたんです。

── どういうイメージで作られたんですか?

あのときは作りながら考えてました。たまたまどこかで、宇宙では何もないところから生まれては消える物質があるといった記事を読みまして、それを元に音の誕生と消失の繰り返しをモチーフにしています。キューブが出てきて破裂するところが、まさにそれ。音楽もある種、0から生まれるものですよね。

キューブが出てきて破裂するシーン。音の誕生と消失の繰り返しをモチーフにした

── 制作時に苦労したのは?

サビのところです。アイデアがまったくなかった(笑)。「こんなんでいいか!」という投げやりな感じです。制作自体に関しては、ネットを検索すれば何かしらのヒントが得られるのであまり苦労することはないです。最近では慣れてきて、最初から最後まである程度脳内で完成することができるようになりました。技術的にも幅が広がって、逆にアイデアを映像化するために四苦八苦してます。

いちばん苦労したのはサビのところ。「アイデアがまったくなかった!(笑)」

── こだわった点は?

下着は見せないってことぐらいですね(キリリッ。あとはオープニングに文字が出てくるシーンがあるんですが、頭文字だけを繋げてみると……。

── MMDを始めたきっかけはなんだったんでしょうか。

164さんの「Shiningray」が好き過ぎて、自分のイメージを形にしたいなぁと思ったのがきっかけです。その前に樋口さんのMMD動画を見ててスゴいのができたなぁと驚いてました。

「Shiningray」(作者:164さん)

── MMD以前にほかの3Dソフトを使った経験は?

まったくなくて、初心者からのスタートです。

── 創作で影響を受けているジャンルは?

広告です。音楽や映画にはかなり疎いです。雑誌の間にある広告とか、街なかにある看板とか、一枚絵の中に計算されている絵が好き。会社ごとにまったく違うので見ていて楽しいですよ。


まさたかPさんのお気に入りMMD その1

当時のMMD作品としては動きが半端ない。どうやって作ったんだろうって思いました。

まさたかPさんのお気に入りMMD その2

\キャーマサタカサーン/(編註:先生、自演ですか!)

■まさたかP マシン環境&使用ソフト

日本HPのBTOデスクトップ(CPU:Core i7 980X、メモリー:24GB、グラフィック:GeForce GTX 560)

ソフト:MMD、Cinema 4D、Adobe CSシリーズ

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