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プロカメラマンがサブ機に「EOS M」を選ぶワケ

2012年08月23日 12時00分更新

文● 周防克弥

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プロが注目するミラーレス機
ゆえにインターフェースに注文が……

動画はフルHD解像度で撮影可能。音声のマニュアル設定や露出をマニュアルで操作することもできる

 基本的にはエントリークラス向けのデジカメなので、初心者が使っても将来的にステップアップしやすいなど便利な点が多い。しかし、今回一番注目しているのはEOSを仕事で使ってるプロカメラマンや、一眼レフEOSを使い、EFレンズをすでに何本か所有しているユーザーなのではないだろうか。

 その上で、少し気になった点がインターフェイスだ。画面内はEOSそのまんまで問題なく使い勝手はいいのだが、ボタン数やボタン配置が「IXY」や「PowerShot」シリーズに似ており、決定的にボタンやダイヤルが少ない。

EOS Mのシャッターボタン部分は斜めに切り落とされている(左)。これはEOSシリーズ共通のデザインで、指が自然に沿うようになっている(右は5DMarkII)

 例えば、シャッターボタンの斜め配置とその処理はEOSのアイデンティティーを表現をしているが、個人的な印象では操作系が2つ足りない。

 それは、シャッターボタン手前に位置する「電子ダイヤル」と、絞り具合でどれだけぼけるか、ピントが合うのかを確認できる「絞り込みボタン」だ。

 電子ダイヤルは背面側に備わってはいるものの、十字ボタンと兼用されているので回そうとして押してしまうという誤操作をしてしまいがちだ。

 絞り込みに関してはデフォルトでは機能しないものの、カスタム機能で割り当てることはできる。

カスタム機能で背面ダイヤルの下方向ボタンに割り当てが可能

 これによって任意に設定した絞り値まで絞り込まれ、ピント範囲の確認ができるようになるが、絞り優先オートやマニュアル時に画面を部分拡大して絞り値を変えながら被写界深度を確認しながら適切な位置を探る行為が難しい。

 電子ダイヤルが十字ボタンを兼ねているため、下方向に押しながらダイヤルを回さなければいけないからだ。いっそのことライブビュー前提のカメラなのだから常に絞りが動作していてはどうだろうかと思う。

 一眼レフではなく、光学ファインダーでもないのだから常時開放測光である必要性はないのではないだろうか? もちろん、絞り込み測光では暗い場所でノイズが増えたりAFの測距に影響が出そうではあるが、測距時だけ開放測光にするような機構は無理なのだろうか。もしくは「常に絞り込み」ができる状態を設定で用意してくれるのが一番簡単ではないかなと思う。

 ちょっと個人的で特殊な使い方であり、キヤノンは想定していないのかもしれないが、これができると普通に仕事で物撮りができてしまうのだ。

 仕事でないにしろ、マニュアルで絞り値の効果を確認しながらピントを合わせるのは普通に写真を撮る場合にもありがちじゃないかなとも思った。

やっぱり買いたい! 悩ましいのは……

 総括すると、EFレンズの使える小型ミラーレスというのは中々に便利に使えるはず。外見はIXYやPowerShotっぽいのに中身はEOSシリーズで大きな撮像素子で高画質な写真を撮ることが可能だ。

 新規にレンズマウントを起こしているため、現状はレンズバリエーションが少ないがマウントアダプターを使うことで現存する数多くのEFレンズが使える点は評価できる。

 あまりに大きなレンズを付けるとアンバランスにはなるが機能的に不便な事はなく、ミラー付きのEOSをライブビューで使う場合とまったく同じ使い方ができる。

 もちろん、新マウントのレンズが揃えばまったく問題ないだろうが、差し当たりレンズが少なくても十分な対応策があり、将来的に一眼レフにステップアップする場合にも有効に活用できるだろう。

 というわけで、現在の最大の悩みポイントは「何色を買うか」である。

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