最大の特徴であるガイガーカウンターの性能を確認
先に断っておくと、研究機関現場などで活用されているガチの線量計との比較を行ないたかったが……今回はタイミングが合わなかった。手持ちのガイガーカウンターにはポケットガイガーがあるのだが、購入は2011年で、かつ校正されていない状態が続いているため、信頼性には欠ける。そこで、比較対象として東京都健康安全研究センターの八王子モニタリングポストデータと比較することにした。
詳細なデータは東京都健康安全研究センター。PANTONE 5の画面上での単位はμSv/h(マイクロ・シーベルト/時)で、上記モニタリングポストデータはμGy/h(マイクログレイ/時間)と異なっているが、例えば、0.0402μGy/hの場合は、0.040μSv/hといった算出になる。この計算は「ブラウザで動く放射線・放射能の単位換算ツール(簡易)」(こちら)で単位変換したものだ。
以上のように長い前置きをしたうえで、PANTONE 5のガイガーカウンター機能を見てみよう。PANTONE 5が搭載する放射線量計はガンマ線を検出するもので、半導体方式を採用している。GM管方式やシンチレーション方式と比較すると精度は劣るのだが、半導体形式の場合は劣化しにくく、少なくとも端末利用期間中は校正不要ということで採用したと思われる。そういった点でベストなチョイスといえるのだが、計測時に振動はNGだし、熱源や電磁波の影響も考えられるため、正直なところ「目安」程度にしておいたほうがいい。ちょっと考えてみればわかるのだが、スマホは電磁波を放つし、電波を受信するし、熱源体でもある。それらはすべて測定に影響を及ぼす。
さて、PANTONE 5の測定には30秒ほどで結果のわかる「簡易測定」と、時間をかけて行なう「しっかり測定」のふたつがある。「しっかり測定」は30分ほど測定を行ない、結果を表示するもの。こちらはよく行く場所や公園などでチェックするものだが、使用時には1mの高さで、なるべく振動などを与えないようにする必要があるため「手に持って」の測定は正直厳しい。そのため、振動を吸収するクッション素材を用意して、日陰でかつ風通しのいいところに置いて計測するといいだろう。また、手持ちで行なう場合もハンカチなどを使って持つほうが、振動を軽減できるのでオススメ。
計測値はASCII.jp編集部のある飯田橋と、筆者が住まう大都会・町田の端っこ。先に値を出してしまえば、飯田橋では0.05μSv/h、町田の隅っこでは0.05μSv/hと同等だった。
東京都健康安全研究センターの八王子モニタリングポストデータを見てみると、計測日周辺は、0.0402μGy/hだったので、ほぼ近い結果といえる。値としては0.01の差があるのだが、誤差表示は「★★」で、誤差61~80%と端末上に表記されていたので、ほぼ同じくらいか、それとも低いか多いかと判断しかねるのだが、極端に違ってはいないので、是とした。
まぁなんだかんだで、目に見えないものだし、値がアレコレあるので混乱しやすいのはしょうがないのだが、PANTONE 5にはヘルプとして放射線について細かく書かれているので、使用しながら覚えていけるだろう。なお、メディアの人間でも取り違えが起きている放射線と放射能だが、放射能はお風呂に3日入っていない人で、放射線はそのお風呂に入っていない人から発せられる匂い、をイメージするとわかりやすいだろう。

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