6ch全録の「タイムシフトマシン」を搭載
BDレコの概念を超えた東芝「DBR-M180」
東芝の「DBR-M180」(実売価格9万7000円前後)は、ほかの2機種と比べるとやや高価になるが、それもそのはず、HDD容量2.5TB、地デジチューナーを8基、BS/110度CSチューナーを2基搭載している。6chのテレビ放送を最大で8日分蓄積し、自由に視聴ができる「タイムシフトマシン」搭載のモデルだ。
本機は、薄型テレビと同じく「レグザエンジンCEVO」を搭載するなど、血筋は薄型テレビの「REGZA ZG2」や「ZT3」に近い。このため、操作メニューもテレビのものそっくりで、「3次元フレーム超解像」といった最新の画質補正機能まで備えている。詳細な調整が可能な画質メニューを見ていると、BDレコというよりもREGZAの別体型チューナーという気がしてくる。
起動時間などを見てみると、高速起動は1秒20とかなり高速。高速起動オフの場合は通常待機で6秒台、省エネ待機で8秒後半と優秀な性能。番組表の表示も1秒未満とかなり高速で、スクロール表示の速さなどもまずまずの実力だ。
これは「タイムシフトマシン」の過去番組表もほぼ同様。テレビ放送の視聴やタイムシフトマシンの番組再生などはかなりスムーズに使える。ちなみに、タイムシフトマシン稼働時は録画中のチャンネルであれば、現在放送中の番組を5秒戻したりすることが可能。これが極めて使い勝手がよく、当然ながらテレビの内蔵チューナーよりも快適なテレビ視聴ができる。
反面、通常録画した番組リストの表示などは切り替わるときに少々もたつきがある。このほかにも、タイムシフトマシンから通常録画領域へ番組保存しようとすると、高速ダビングでもかなり時間がかかるなど、ダビングや編集では少々使い勝手の悪い部分もある。常時6chの録画をしていることを考えると納得もできるが、将来的には改善を期待したい部分だ。
BDレコというよりも外付けチューナー!?
本機の愛称が「REGZAサーバー」と言われる理由が、DLNAなどによる番組配信機能。DLNAサーバー/クライアント対応となっており、タイムシフトマシンや通常録画の番組を対応機器へ配信できるほか、DLNAサーバー機器のコンテンツ再生も可能。持ち出し用ファイルのダビングに手間はかかるが、対応機器へのHD画質での番組持ち出しにも対応と、録画した番組を多彩な形で活用できるようになっている。
BDドライブを内蔵しBD再生ができ(BD再生までの時間は約33秒とちょっと遅い)、BDへのダビングも当然行なえるなど、BDレコーダーではあるが、使い方のスタイルが異なるというか、より積極的にテレビの別体チューナーだと思って使った方が快適だ。
例えば、テレビ側のチューナーで視聴している放送を最初から見たいと思ったとき、いちいち入力をREGZAサーバーに切り替えるのは面倒くさい。本機の場合はテレビのチューナーは使わずに、本機のチューナー(つまりテレビ側は常時HDMI入力)で使うのが便利と感じる。
その意味でセットトップボックス的なテレビ放送受信機であり、テレビ放送をより柔軟に活用できるというのは、まさにこれからのBDレコーダーが目指す姿だろう。なんといっても初号機なので、前述したような不満も多少はあるが、今後の進化が楽しみなモデルだ。
なお、画質面の実力はかなりのもので、色再現こそ忠実度を重視したやや淡泊な表現になるが、解像感が極めて高く質感の豊かな映像を楽しめる。
BDソフトの再生もディスクの情報をすべて引き出しているかのような豊かなディテールを満喫できる。音質も決して悪くはないのだが、価格を考えるともう少し声の厚みや低音の力感が出てほしいと感じる。
総合評価
機能性:★★★★★★★★★(9)
使いやすさ:★★★★★★(8)
拡張性:★★★★★★★★(8)
画質・音質:★★★★★★★★★(9)
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