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3万円台のBlu-ray Discレコーダーは買い……なのか!? 第1回

ソニー、パナ、東芝……3万円台のエントリーBDレコ3機種比較!

2012年08月13日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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このクラスでは珍しいUSB HDDに対応!!
パナソニック「DMR-BRT220」

「DMR-BRT220」

「DMR-BRT220」

 パナソニックのシングルチューナー機「DMR-BRT220」(実売価格3万2000円前後)は今回紹介する機種で唯一のUSB HDD増設に対応したモデル。内蔵HDDは500GBだが、USB HDD増設はたくさんの番組を録り貯めたい人には気になる部分だろう。

今回取り上げた3台を重ねたところ。一番上がDMR-BRT220、真ん中がBDZ-AT350S、一番下がDBR-Z110。横幅はいずれも430cm前後だが高さは多少異なる。一番違うのが奥行きでDMR-BRT220はぐっとコンパクトだ

今回取り上げた3台を重ねたところ。一番上がDMR-BRT220、真ん中がBDZ-AT350S、一番下がDBR-Z110。横幅はいずれも430cm前後だが高さは多少異なる。一番違うのが奥行きでDMR-BRT220はぐっとコンパクトだ

 また、DLNAサーバー機能を備えていることもほかにはない特徴だ。リビングに本機を置いておき、別室のクライアント機器(DLNA対応テレビなど)からネット経由で録画番組などを楽しめる。中~上級機では必須になっている機能だが、エントリー機では省略されがちで、こうした先進的な機能も使いたいという人には大きな魅力だ。

 さらに、スマホやPC、携帯電話などを使って外出先から録画予約ができる「ディモーラ」、録画した番組のシーン紹介を目次のように一覧できる「ミモーラ」(有料)などのサービスにも対応しているので、先進性ではNo.1と言えるモデルだ。

前面パネルを開けると、SDカードスロットとB-CASカードスロットがある。電源とディスク開閉ボタンは上面にあり、エコ待機ボタンも搭載する。背面の映像出力はHDMI端子とアナログ出力しかないというシンプルさ。ビデオ入力は備えない

前面パネルを開けると、SDカードスロットとB-CASカードスロットがある。電源とディスク開閉ボタンは上面にあり、エコ待機ボタンも搭載する。背面の映像出力はHDMI端子とアナログ出力しかないというシンプルさ。ビデオ入力は備えない

 パナソニックはいちはやくBDレコのコンパクト化を進めたメーカーで、背の高さこそ他社も追いついてきたが、奥行きの短さはまだまだ優位。薄型テレビに合わせて置き台も奥行きが薄くなる傾向にあるし、個室に置く場合もコンパクトな方が使いやすい。設置しやすいというのは大きな特徴だろう。

 前面や背面の端子はかなりシンプルになっており、前面USB端子も省略されている。背面のUSB端子はUSB HDD用に使うこともあるので、HDビデオカメラなどの動画取り込みはSDカード経由が使いやすいだろう。

 背面はビデオ入力を潔く省略したシンプルなもの。基本的に薄型テレビとはHDMI接続でOKだから実用上は問題はないが、ビデオ入力がないのは少々気になる。VHSのダビングなどを考えている人は注意しよう。

キビキビ動くレスポンスで快適操作

大きなアイコンが並び、十字キーの左右で別のページに移動するスマホ風のメニューを採用。イラスト付きで目当ての操作がわかりやすい

メニューのアイコンは自分がよく使う機能を登録したり、使いやすい配列に並び替えることも可能。このあたりもスマホ的だ

 初回起動時のかんたん設定機能などは標準的なものだが、わかりやすさは十分考慮されており、操作に戸惑うことは少ないだろう。

 操作メニューはスマホ風のアイコンを並べたもので、カスタマイズにも対応する。ページの切り替えがスマホのようにスムーズにはいかないものの(上位機はタッチパッドのフリック操作でページ切り替えが可能)、アイコンなどの視認性はいいので十分に使いやすい。

 使っていてありがたいのが、全体にキビキビと動くレスポンスのよさ。起動時間こそ、高速オンでも実測で10秒ちょっと(高速オフで約24秒)と遅い印象だが、番組一覧やディスクトレイのオープンは電源オフから1秒で行なえる。

日付の移動などもタブで手軽に行なえるなど、使いやすくデザインされた電子番組表。ジャンルの色分けも薄い色で目に優しい表示だ。放送画面も子画面で右上に表示される

日付の移動などもタブで手軽に行なえるなど、使いやすくデザインされた電子番組表。ジャンルの色分けも薄い色で目に優しい表示だ。放送画面も子画面で右上に表示される

 番組表の表示は2秒86と速めで、スクロールもスムーズだ。BDソフトの出画も19秒と最速で、どんな操作もレスポンスよく使えるので、使っていてストレスを感じることがほとんどない。パナソニックのBDレコは他社と比べてレスポンスのよさでは最優秀だが、それをエントリー機でもしっかりと継承しているのはうれしいところだ。

番組の検索は、キーワードや人名などで可能。あらかじめ用語が登録されているので入力の手間は少ない

新機能の「まとめて予約」。選択した番組に関連する番組をリスト表示する機能で、似たテーマの番組や出演者が同じ番組を手軽に探せる

新機能の「まとめて予約」。選択した番組に関連する番組をリスト表示する機能で、似たテーマの番組や出演者が同じ番組を手軽に探せる

 ディモーラが自動録画や詳細な番組検索機能を備えるため、本体の検索機能自体はキーワードや人名検索などシンプル。最新モデルでは選択した番組の出演者などが関連する別の番組を一覧する機能も追加されているので、いちいちスマホなどで番組検索をするのは面倒という人でも使いやすくなってきた。

 画質はややソフトでディテール感の不足はあるが、色乗りが良好であまり不満は感じない。肌がややピンク寄りになるなど、見た目のきれいさを重視する傾向だが、映画などを見てもあまり不自然に感じるほどではない。

 USB HDD対応など、機能的にもかなり優れているし、サクサクと使えるレスポンスのよさは他機種にはない魅力と言える。ビデオ入力がないなど、気になる部分もあるが、日常的に使って満足度の高いモデルだ。

総合評価

機能性:★★★★★★★★(8)

使いやすさ:★★★★★★★★★★(10)

拡張性:★★★★(4)

画質・音質:★★★★★★(6)


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