ハーマン、渾身のBluetoothヘッドホン「harman/kardon BT」
AKG音質+apt-Xが最強!超実用的なワイヤレスヘッドホン
2012年08月11日 12時00分更新
「apt-X」、それは超低レイテンシーを実現したコーデック
Bluetoothの標準コーデックであるSBCの代わりに、このapt-Xを使うと、なんと32msのレイテンシーで済んでしまうと、これを開発したメーカーであるAudio Processing Technology社(ゆえにコーデックの名をaptと言う)は言っているわけです※1。
人間は概ね20msくらいの遅れは知覚できると言われますが、シビアな性能が要求されるDAWを使った音楽制作でも、オーディオインターフェイスのレイテンシーが10msくらいなら「まいっか」という感じ。実際に再生ディバイスからヘッドホンに音が出るまで、どの程度のレイテンシになるのかは分かりませんが、SBCに比べればほとんど気にならない程度のはず。
お詫びと訂正:掲載当初、apt-Xのレイテンシーに対する記述に誤りがありました。訂正し、お詫びいたします。(2013年1月23日)
ただしapt-Xに対応した機器は限られており、特に音楽ソース側の端末は、Creativeのタブレット「ZiiO 10」など、対応していることを公式に謳っているものは珍しいわけです。ユーザー間の「あれは対応しているらしい」のような、不確かな情報に頼らざるをえない。
実は、apt-Xに対応したヘッドホンはかなりの数出ています。でも、なぜかヘッドホン自体の性能がどれもしょぼかった。せっかくレイテンシーの低い、優れたコーデックに対応しながら、数千円程度のクオリティーのヘッドホンはないだろうと。
それが改善されてきたんですね。まずBluetoothを内蔵したMacBook ProやMacBook Airで、OS X 10.6.4あたりからapt-Xが使えるらしいと、これまた公式情報ではないですが、そう言われています。Pro/Airなら手元にあるので実験できる。USBにつなぐapt-Xアダプタを使えば、大抵のPCでapt-Xは使えたんですが、それなしで使えるのは魅力です。
apt-X採用、ハーマン・インターナショナルの傑作
「harman/kardon BT」
そしてヘッドホン側も、遂に大御所が本気のapt-X対応製品を出してきたわけです。それが今回の「harman/kardon BT」。これは試してみるしかないだろうと。
Harman/Kardonというのは、ひょっとしたら若い方には耳慣れないメーカー名かも知れません。現在はハーマン・インターナショナルが所有するブランドのひとつで、このヘッドホンの開発は同グループ内のAKGと共同で行なったもの。AKGクオリティーのヘッドホン、そしてapt-Xコーデック。これは魅力ではありませんか。
さっそく、ものは試しということで、harman/kardon BTをお借りしてみました。結論から先に言えば、ばっちり使えます。というか、これはすごいです。革命的とさえ言えるかもしれない。市場価格は2万9800円前後。もう、すぐに買うといいんじゃないでしょうか。
harman/kardon BT
●メーカー ハーマン・インターナショナル
●タイプ 密閉型(オーバーイヤー)Bluetoothワイヤレス
●周波数特性 16Hz~20kHz ●感度 32Ω ●重量 272g
●価格 2万9800円前後(オープン)
●URL http://www.harman-japan.co.jp/hk/headphone/bt/