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23~24型はもう卒業!? 魅惑の27型液晶ディスプレー特集 第2回

フルHDはもう狭い!? 至高の27型WQHD液晶で広々大画面

2012年08月09日 12時00分更新

文● 石井英男

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27型ならではの超高解像度が魅力

 液晶ディスプレーの売れ筋は、製品の価格下落にともない、より大型のものへとシフトしてきた。10年ほど前は17型クラスが主流であったが、ほんの数年前には21型クラスが売れ筋になり、2年ほど前からは1万円台後半から購入できる23~24型クラスが、ランキングの上位を占めている。

 しかし、その上のクラスである27型液晶ディスプレーも価格が下がってきたため、27型液晶ディスプレーも売れ筋ランキングに入ってきた。今後は23~34型クラスから、27型クラスへのシフトが進んでいく可能性は高い。

 一方で、23型液晶ディスプレーはほとんどの製品がフルHD解像度(1920×1080ドット)対応だが、27型液晶ディスプレーになると、フルHD製品とWQHD(2560×1440ドット)対応製品がある。特集第2回では、27型ならではの超高解像度が魅力の、WQHD対応製品を紹介する。

一度に多くの情報を表示したい人向け
WQHD対応27型液晶のチェックポイント

デルの27型WQHD液晶ディスプレー「U2711」。直販サイトでも6万円を切る価格で販売されることがある

 WQHDとはあまり見慣れない言葉かもしれないが、「Wide Quad HD」の略で、いわゆるHD解像度(1280×720ドット)を縦横2倍にした、2560×1440ドットの解像度を表す。23~24型クラスの液晶ディスプレーは、ほとんどがフルHD(1920×1080ドット)対応だが、WQHDのドット数はフルHDの約1.78倍にもなる。つまりWQHD液晶は、一度にフルHD液晶の約1.78倍の情報量を表示できるわけだ。

 解像度が高ければ、同時に複数のアプリケーションを起動しても、それぞれのウインドウサイズを十分に確保できる。表計算ソフトを使う場合でも、一度にワークシートの広い範囲を表示できるので、快適に作業が行なえ、作業能率が向上する。一旦、高解像度環境に慣れてしまうと、それより低い解像度には戻れないというのは、多くの方も経験があるのではないだろうか。

 WQHD液晶ディスプレーは今のところ、ゲームや動画を楽しむというよりも、「より快適な環境で作業をしたい」というビジネス用途やプロフェッショナル用途に向いた製品である。価格もフルHD液晶ディスプレーに比べると、かなり高い。そうは言っても、6万円程度で購入できるWQHD液晶ディスプレーも登場しており、決して手が届かないというわけではなくなってきた。

 フルHD液晶ディスプレーは、パソコンだけでなく、BDレコーダーやコンシューマーゲーム機などのAV機器を接続して使われることも多いため、液晶パネルの応答速度を高める「オーバードライブ機能」や、映像の解像感を高める「超解像機能」などを搭載した製品も多い。一方WQHD液晶ディスプレーは、ディスプレーとしての基本性能を重視し、機能的にはシンプルなものが多い。

 その代わりというわけではないが、フルHD液晶ディスプレーはスタンドの機能が貧弱で、上下のチルト機能しか備えていないものが多い。それに対して、ビジネスやプロユースに適したWQHD液晶ディスプレーは、スタンドが多機能でチルト機能だけでなく、左右回転のスイーベル機能や高さ調整機能、縦回転のピボット機能を備えた製品が主体となっている。

 WQHD液晶ディスプレーを利用する際には、接続ケーブルにも注意したい。パソコンと液晶ディスプレーを接続するインターフェースとしてよく使われるのがDVIだが、DVIは伝送帯域によって、「シングルリンクDVI」と「デュアルリンクDVI」の2種類がある。

デュアルリンクDVI対応コネクターの例。8×3列に並んだピン配置がデュアルリンクのわかりやすい違い。シングルリンクはここが3×3列が左右2組並ぶ配置

 フルHD解像度ならシングルリンクDVIで問題はないが、WQHD解像度で表示するには、シングルリンクDVIでは帯域が足りず、デュアルリンクDVIが必須となる。シングルリンクDVIとデュアルリンクDVIでは、コネクターの端子数が異なり、デュアルリンクDVI端子にシングルリンクDVIケーブルを接続すると、シングルリンクでの伝送になってしまう。WQHD液晶ディスプレーとパソコンをDVI経由で接続する場合は、必ずデュアルリンクDVIケーブルを利用すること。

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