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音楽を聴くなら携帯音楽プレイヤーを勧めたい理由 第3回

価格帯別ヘッドフォンレビュー エントリー&ミドルレンジ編

1万円以下で買えるコスパに優れたヘッドフォンはこれだ!

2012年08月08日 12時00分更新

文● 折原一也

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重低音ズンズン系が好きな人に
オーディオテクニカ ATH-CKS77

 切削アルミニウム筐体を採用した新設計サブチャンバーメカニズムARと、2ポジションポストで重低音再生に振った「SOLID BASS」シリーズのラインナップ。強磁力マグネットとCCAWボイスコイルを用いたATH-CKS77専用ドライバーで、中高域の再現性も高めている。実売価格は4500円ほど。

オーディオテクニカ ATH-CKS77

・iPod touch + ATH-CKS77

 圧倒的な重低音が特徴のサウンド。「Chase the world」では、歪むような重低音のズンズンとした響きは気持ち良いのだが、ボーカルは原曲とはかけ離れたような鳴らし方で声が聴きづらい。ロック系の「リアルワールド」のベースも低音が量的に大きく自己主張し、ボーカルまでも埋もれてしまう。「無想曲」は低音が弱いためクセは気にならないが、ゆったりとしたナローサウンドで相性はいまひとつ。まず、重低音を求める曲選びから入るべきだろう。

音質評価:★★(2)
コストパフォーマンス:★★★★(4)

・ウォークマン + ATH-CSK77

 やはり重低音重視だが、ウォークマンの方がもともとの低音が締まるため相性はいい。「Chase the world」は、エネルギッシュなサウンドとして通用するのだが、ダンス系とはいえ低音に対してその他の楽器が負け気味。ボーカルはしっかりと聞こえるが、頭の中で響くようなクセがある。「リアルワールド」では低音重視のサウンドが合っていて、「おどろおどろしい」とでも形容したくなるような低音を鳴らすが、ボーカルはやはり埋もれがちだ。「無想曲」は重低音が中域の厚みという形で出ている。ただし、ピアノの美しさはあまり出せていないし、メロディーラインも明瞭ではなかった。音の方向性は明快で、iPod touchよりはそれを活かせていると感じた。

音質評価:★★★(3)
コストパフォーマンス:★★★★(4)

■Amazon.co.jpで購入


バランスが取れているが突出している部分もない
ゼンハイザー CX300-2

 ダイナミック型で高音質のエントリー型ヘッドフォンとして定番となっている、ゼンハイザーの最新モデル。現在はクロームとゴールドの2つのカラバリで展開している。実売価格は約5000円。

ゼンハイザー CX300-2

・iPod touch + CX300-2

 情報量重視のサウンドではあるが、低音もバランスを取ったダイナミック型らしいサウンド。「Chase the world」は低音重視ながら音圧を出しているというほかにはないタイプで、ボーカルも自己主張するが高解像系の地味なサウンド。「リアルワールド」ではベースラインはバランスが整い、ボーカルは聞きやすい。音の特徴として空間が広く、定位が遠めだ。「無想曲」は中域に響きがあって、落ち着いたサウンド。中域の厚みはあるし、ナチュラルで曲としての雰囲気は良く、メロディーラインも出せている。地味ではあるが高精細系としてはいいだろう。

音質評価:★★★(3)
コストパフォーマンス:★★★★(4)

・ウォークマン + CX300-2

 ダイナミックさを前面に引き出したサウンド。「Chase the world」では低音をしっかりと出し、空気感とも呼ぶべき雰囲気と、ボーカルの立ち上がりをしっかりと作る。音の広がりも十分に出せていた。「リアルワールド」では、ボーカルをしっかり立てるがライブ感重視で、聴いていて危うさを感じる。低音ラインはやや過多に聞こえるかもしれない。「無想曲」ではピアノは美しく、管楽器もかろうじて聞き取れるレベルで、目立った破綻はない。ダイナミック型らしい完成度を求めるならオススメできる。

音質評価:★★★(3)
コストパフォーマンス:★★★★(4)

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