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塩田紳二のWindows 8 IN-N-OUT 第14回

Windows 8は最大で640個の論理CPUに対応可能

2012年08月03日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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増え続ける論理プロセッサーに対して
Windows 8はタスクマネージャーを変更

 Windows 7の頃もすでに、従来のタスクマネージャーの形式では、多数のLPを扱うのが難しいことがわかっていた。例えば下の画像は、2008年の「WinHEC 2008」で披露されたマイクロソフトによる256LPシステムのデモの写真だ。

256LPシステムをタスクマネージャーで表示した様子。小さい四角が各LPのCPU負荷グラフだが、とても実用には耐えない

 タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブにあるプロセッサー負荷のグラフには、小さなグラフが256個も表示されてしまっている。負荷の高いプロセッサーが存在することはわかるものの、グラフが小さくなりすぎてプロセッサー番号すら一部しか表示されなくなり、これではどのプロセッサーがどうなっているかを知るのは難しい。

 コンシューマーがプロセッサー状態とプロセッサー番号の対応を知る必要はまずない。しかしWindows 7には、アプリケーションを特定のプロセッサーで実行する機能「Affinity」がある。これを正しく使うには、割り当てるプロセッサーの負荷状態を把握する必要がある。

 かつては、クライアント向けWindowsとサーバー向けのWindowsは、リリース時期をずらしていたため、サーバー向けの機能はクライアント向けWindowsの開発が終了したあとに追加されていた。しかしWindows 7からは、両方を同じタイミングで出すようになった。そのためタスクマネージャーは、どうしても多数のプロセッサーに対応させる必要がある。また前述のように、現時点のプロセッサーでもシングルソケットで12LP程度が実現可能である。今後のCPUの進化を考えると、コンシューマー向けのWindowsだからといって、多数のプロセッサーへの対応は不必要、とは断言できない。

 そこでWindows 8では、多数のLPが存在する場合でも対応できるように、タスクマネージャーが大きく変更された。パフォーマンスタブでは、プロセッサー数が少ない場合にはこれまでどおり、グラフにより負荷が表示される。だがプロセッサー数が増えたときには、負荷状態を色で表示する「ヒートマップ」と呼ばれる表示方式に切り替わる。

Windows 8のタスクマネージャーでは、LPが少ない場合にパフォーマンスタブは、グラフで負荷を表示する

Windows 8ではLPが多数になると、ヒートマップ表示に切り替わる。画像は「Building Windows 8」 「64個以上の論理プロセッサーをタスクマネージャーで扱う」から引用

 ヒートマップはLPごとに矩形の表示領域を持ち、負荷率をパーセント表示するとともに、負荷に応じて色を濃くしていく。また表示とプロセッサーの関係は、マウスポインターを対応する領域に置くことで、表示されるようになった。

 アプリケーションと処理するLPの指定は、「詳細」タブから可能となっている。これは、Windows 7のタスクマネージャーの「プロセス」タブに相当する表示だ。ここでプロセスを選択して、右クリックメニューから「関係の設定」を選択することで、実行するLPを指定するダイアログボックスが表示される。このあたりはWindows 7とまったく変わらない。

Windows 8のタスクマネージャーでも、「詳細」タブでプロセスを指定して、右クリックメニューから「関係の設定」を選択することで、プロセスと実行プロセッサーの対応を指定できる

 Windows 95の時代から大きな変化は経験してこなかったタスクマネージャーにも大きな変更が加えられるなど、最新のハードウェア環境に合わせたWindows 8の改良は、こうした細かいところまで手を入れているわけだ。

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