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コンテンツ、アプリ等にいまお金を使っているのは誰だ?

ある分野に金と時間をつぎ込む人は、別分野でもつかう

2012年08月01日 09時00分更新

文● アスキー総合研究所

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 いま、コンテンツやスマートフォンのアプリにお金を支払っているのは、どういった人たちなのか?

 コンテンツビジネスやアプリ開発を手がける人たちにとって大変気になるこの疑問について、7月13日に一般社団法人メディア事業開発会議(MEDIVERSE)が開催したワークショップ「消費者はどこにお金を使っているのか」で、博報堂の研究開発局とアスキー総合研究所がそれぞれの分析結果を披露した。


注目すべきは
“コネクテッド”な20代女性

 最初に登壇したアスキー総合研究所の遠藤 諭所長が投げかけた疑問は、「消費者は見えているとおりではない。たとえば、一般に言われるように、iPhone利用者はAndroid利用者よりお金を使っているのか?」ということだった。

 ワークショップで披露された、アスキー総合研究所の消費行動やメディア・コンテンツに関する1万人調査「MCS 2012」の集計結果によると、有料コンテンツやアプリの利用料金について、月額の平均利用金額は確かにiPhone利用者のほうが多くなっている(Android利用者の231円に対して、iPhone利用者は272円)。

有料アプリ/コンテンツの利用率

有料アプリ/コンテンツの利用率を見ると、iPhone利用者の約半数が有料のアプリやコンテンツ等を購入しているのに対して、Android利用者では4人に1人しか購入していない。

月額利用料金

有料のアプリ/コンテンツ等に支払っている平均月額利用料金を比較すると、iPhone利用者がAndroid利用者の約1.2倍と多くなっている。

 ただし、その分布を見てみると、iPhone利用者の場合は200円未満の安いアプリを1本しか買っていないようなユーザーが多くを占めている。また、iPhone利用者の購入しているアプリのジャンルでは、ゲームが非常に多い。つまり、全体の平均利用金額は多いが、その大半はゲームを1本しか買わない層が占めていると言える。

月額利用料金の分布

iPhone/Androidそれぞれの利用者について、有料アプリ/コンテンツの月額購入額の分布を見ると、iPhone利用者は月に200円未満という層が多いのに対して、Android利用者は月に5,000円以上というヘビーユーザーが多い。

 Android利用者の場合は、そもそも有料コンテンツを購入している比率がiPhone利用者に比べて低いものの、一部にものすごくお金を使っている層がいる。平均額で見るとiPhone利用者のほうが多いが、その分布の内訳は一様ではないのだ。

 両利用者の性年代分布を比較すると、Android利用者は20~30代男性が多いが、iPhone利用者は特に20代前半の女性に偏っている。Webを普通に、何のストレスもなく使っている「コネクテッド・コンシューマ」と呼ばれる人たちが、注目され始めている。米国では40代女性という話もあるが、アスキー総研の分析では、コネクテッドかつお金を使っているのは、国内では20代女性だ。

 仮に、スマホでアプリ・有料コンテンツを買っている20代女性をコネクテッドな20代女性として切ってみると、彼女らはネット動画の視聴時間が長く、それに対して地上波テレビの視聴時間は短くなっている。20代女性はそもそも、20代男性ほどではないにせよ、ネット動画の視聴時間が長く、テレビの視聴時間は短い。コネクテッドな20代女性では、その傾向はさらに強まる。

ネット動画の平均視聴時間

コネクテッドな20代女性の1日のネット動画の平均視聴時間は、そうでない20代女性の約1.3倍となる32.5分。

地上波テレビの平均視聴時間

一方で、地上波テレビの1日の視聴時間については、一般的な20代女性より約12分短い133.5分となる。

 SNSの利用率は、20代女性ではmixiが最も高く、コネクテッド20代女性も同様だが、それに匹敵するくらいTwitterの利用率も高い。また、各種ゲーム機の所有率も高く、とくに『モンスターハンター ポータブル 3rd』(PSP)の所有率は、コネクテッドではない20代女性の6倍以上になっている。

各種SNSの利用率

コネクテッドな20代女性は、総じてSNSの利用率が高いが、そうでない女性と比べて特にTwitterをよく利用している。

ゲーム機/ソフト所有率

ゲーム機の所有率も高い。DSのポケモンはどちらの20代女性もプレイしているが、PSPでのモンハン3rd利用率は6倍以上。

 こう聞くと「オタクなのではないか?」と思われるかもしれないが、彼氏のいる率が29.1%と高いなど、“リア充”的な部分も強い(彼氏がいればオタクではないというのはやや短絡的ではあるが)。映画館で映画を観る回数や、楽曲をダウンロード購入する比率も高く、ネット上でアプリやコンテンツを提供している側にとって、極めて重要な層であることは間違いない。

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