アニメ情報共有に威力を発揮する「RZタグラー」
さて一連のレグザAppsコネクト対応アプリのなかでも、他社にはない東芝独自のユニークな機能が「RZタグラー」だ。
これはBDレコを自在に操作できるリモコンアプリに「タグリスト共有」と呼ばれる独自機能を盛り込んだもの。このタグリスト共有機能が、アニメ番組の情報共有に役立つのだ。
タグリストとは、番組の特定の箇所にタグを打ち、自由にコメントを付けられるもの。お気に入りのシーンごとにチャプター分けして、それぞれのシーンに解説を付けられる機能と考えれば分かりやすい。
アニメで言えば、主題歌が流れるオープニングやAパート、Bパートの始まりにタグを打っておけば、以後はタグリストを選択するだけで素早く場面を移動できるようになる。
実はこのタグリストはREGZAサーバーを快適に使いこなすためには必須の機能と言っていい。DBR-M190では、タイムシフトマシンで貯め込んだ番組を再生する場合、残念ながらCMカット機能などを使用できない制限がある(通常録画ではマジックチャプターによって自動的にCMの前後などにチャプターが振られる)。
しかし、このタグリストを使えば、チャプターが振れないというタイムシフトマシンの制限を解消できるのだ。さらに便利なことに、このタグリストはネット上で共有されている。特にアニメ番組の場合、熱心なユーザー(タグラー=タグリスト制作者)がいて、放送直後でも、かなりの番組でタグリストが作成されている。
つまり、自分でタグを打つ必要もなく、CMスキップやパートごとの頭出し再生ができてしまうのである(あくまでチャプター代わりのタグリストがユーザーによって作成されている番組に限るが)。
出来の良いオープニングやエンディングも、心ゆくまで何度でも再生して楽しめるのだ。
しかもRZタグラーは、単にCMカットや場面移動のためのツールとして使うだけではもったいない可能性を秘めている。それは名シーンや見どころを日本中のREGZAサーバーユーザーと共有できるという点だ。今回はそのあたりを実際に使って試してみることにした。
使用機材は、薄型テレビが「REGZA 42ZP3」(実売価格:11万4400円)、BDレコーダーは引き続きDBR-M190、そしてタブレット端末に7.7型有機ELディスプレー搭載の「REGZA Tablet AT570/36F」(実売価格:4万6800円)を使用した。
RZタグラーを利用する
REGZA Tablet AT570/36Fでは、RZタグラーなどのアプリはプリインストール済みなので、まずはBDレコーダーとタブレットの機器認証から始める。それぞれネットワーク設定を行ない、BDレコーダー側で決めたユーザー名とパスワードを、タブレット側でも同じように入力すれば認証は完了。
これに加えて、タブレット側でHDEXアカウントを登録する。これは好きなユーザー名(タグラー名)と8桁のパスワードを登録するだけ。登録は無料で年会費なども不要だ。自作のタグリストはこのアカウントを使ってサーバーにアップされることになる。
このほか、他ユーザーの作ったタグリストにTwitterでコメントを付けられる機能もあるので、Twitterアカウントも一緒に登録しておくといいだろう。準備についてはこれで完了だ。
ほかのユーザーが作成したタグリストが役立つ
では、さっそく使ってみよう。RZタグラーのトップ画面を見ると、メインの「リモコン&タグリスト利用/作成」のほかに、「RZランキング」もある。ここでは新着タグリストの情報やタグリストの検索が可能。
このほかに、ユーザーが多く利用している人気タグリストや人気番組などのランキングをチェックできる。ここでアニメの人気番組などを探すこともできるというわけだ。人気タグラーのランキングもあるので、上位ランカーを目指す楽しみもある。
人気タグリストなどを見ていくと、数多くのアニメ番組のタグリストがすでにアップされているのがわかる。本編とCMを分割したもののほか、個人的な見どころをリストアップしたものもある。
これこそがRZタグラーの真の魅力と言える。自分の面白かったシーンを教えたり、他のユーザーが面白いと言ったシーンをもう一度見直すことで、新たな発見があり、より深くアニメ番組を楽しめるようになるわけだ。
RZタグラーでタグリストを活用する
ここではRZタグラーのタグリストを使って、録画した番組を快適に視聴する方法を紹介しよう。まずは「リモコン&タグリスト利用/作成」をタッチしてリモコン画面を呼び出す。このリモコン画面で、タイムシフトマシンや通常録画した番組から見たい番組を選んで再生を開始する。
UIはボタン配置などが、DBR-M190に付属するリモコンとほぼ同様でわかりやすい。ボタンが大きく操作しやすいので、筆者は自宅でもたいていタブレットをリモコン替わりに使っている。
録画している番組の再生中に、右上のタグリスト利用を選択すると、再生している番組のタグリストの一覧が表示される。ここで利用したいタグリストを選ぶと、リストにある見どころの場面などに移動ができる。まずは、他のユーザーのタグリストを使ってみるといいだろう。
ここでは他のユーザーがおすすめしているシーンを見てみるだけでも、タイトル名のセンスの良さや意外な名シーンがピックアップされているのが面白いと感じる。いくつも試していくうちに自分でもタグリストを作成してみたくなるはず。
自分でタグリストを作るには、お気に入りのシーンでリモコン画面にある「タグ」ボタンをタッチする。シーンの正確な場所でタグを打つなら一時停止をして、コマ送り/戻しでシーンを動かしてから「タグ」ボタンを押すといいだろう。
その後、「作成中タグリスト」を押すと、タグリスト作成画面に切り替わる。リストには「タグ」ボタンをタッチした場面の項目が出来ているので、そこをタッチすると、コメント入力ができるようになるので、見どころやコメントを入力する。
後はリモコン画面で再生を再開し、「タグ」打ちとコメント入力を繰り返していく。ひと通りタグリスト作成ができたら、タイトルを入力して完了だ。
完成したタグリストは、「ネットで共有する」を選ぶとサーバーにアップされ、ユーザーが誰でも利用できるようになる。サーバーにアップせず、保存だけしておくこともできるので、練習用にいくつか作ってみるといいだろう。