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AVライター・鳥居一豊の「ビビビっときたAVデバイス」! 第3回

今秋登場! 話題の本格ワイヤレススピーカー「Xeo」を試す

2012年07月31日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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セッティングは意外と簡単

Xeo5は底面にインシュレーターを装着するのも忘れずに

Xeo5は底面にインシュレーターを装着するのも忘れずに

 さっそく音の実力を試すため、Xeo3とXeo5の両方をお借りして、編集部の会議室で試聴してみることにした。まずはセッティング。プレーヤー機器とトランスミッターを接続し、左右のスピーカーのそれぞれをコンセントに接続する。

Xeo5の背面端子(Xeo3も同じ)。電源スイッチの上に、スピーカーの再生設定(左か右かモノラルか)のスイッチがある

 デジタル無線のためのペアリングは、トランスミッター側のボタン操作をしてから、スピーカー背面のボタンを押すというもので、Bluetoothなどのペアリングとほぼ同様。ただし、Xeoシリーズの場合はあらかじめペアリングされているので、この操作は必要ない。追加用スピーカーをペアリングするときにだけこの操作が必要となる。

本体前面のインジケーター。接続が完了すると青く光る

本体前面のインジケーター。接続が完了すると青く光る

 通常のスピーカーとは、アンプを内蔵することが大きな違いだが、本体前面にリモコン受光部があり、電源を入れると赤になり、デジタル無線がつながると青に変わるLEDが内蔵されているところも少々異なる。LEDのランプはごく小さいので、LEDの光がわずらわしいと感じることが少ないのも好印象だ。

本格オーディオらしい充実度の高い豊かな音質

 さっそく、アート・ペッパーの「モーニン」などのジャズのCDを聴いてみた。Xeo5は口径170mmのダブルウーファーと、25mmドーム・トゥイーターという構成のため、低音再現性に優れ、どっしりと安定感のある再生が楽しめる。

 ウッドベースの音色を聴いていると、やや量感が多めに感じるが、だらだらと響きが残ることはなく、キレのいいリズムを再現する。ベースの音階もきちんと鳴らし分けるなど、なかなかバランスのいい再現だ。

 特徴的なのがボーカルの定位がよく、女性のボーカルを色っぽく鳴らしてくれたこと。雄大さのあるステージにボーカルが浮かぶように現われ、等身大の歌い手を眺めているように感じられた。

音の傾向がちょっと違うXeo3とXeo5

 Xeo3のユニットはXeo5と同じ「MSP」(ケイ酸マグネシウム・ポリマー)採用の振動板を使った2ウェイ・2スピーカーの小型サイズのモデルだが、案外と音の印象は違っていた。

 まず、低音はさすがにたっぷりとした量感は不足するものの、ベースの音階を鳴らす再現性は変わらないため、タイトで引き締まった印象になる。解像感の高い再現なので、個室で比較的近い距離で聴くならば、Xeo3の方が好ましいとも思ったほどだ。

 ボーカルの定位などはほぼ同様だが、ステージがややコンパクトになることもあり、凝縮感があり、ボーカルの実体感も上回ると感じた。かといって、解像感主体の線の細い音というわけではなく、音色はゆったりと解放感があり聴き心地が良い。ナチュラルで肩の力の抜けた安心感のある音だ。

 非圧縮のリニアPCM伝送ということもあり、ワイヤレス伝送によるダメージなどは感じられなかったので、本格的なオーディオの音が配線不要で手軽に楽しめるメリットはかなり有効だと感じた。

 スマホとトランスミッターの接続はアナログになるので音質におけるメリットはあまりなさそうだが、試してみると圧縮による音質の劣化やプレーヤーの音質差などもきちんと鳴らし分けた。このあたりの表現力はピュア・オーディオ用スピーカーの本格的なクオリティーと言える。

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