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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第162回

グラフで見るAMD CPUアーキテクチャーとプロセスの進化

2012年07月30日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 前回はインテルのプロセス技術を軸に、CPU実装の変化を比較してみた。今回はAMDである。対象としたのは表の5グループ20製品である。

K7からZambeziまでのAMD CPUの変遷
製品グループ コード名 プロセス(nm) 最高周波数(GHz) ダイサイズ(mm2) 総トランジスター数(万個) コア数 2次キャッシュ(KB) 3次キャッシュ(KB)
Athlon K7 250 0.70 184.0 2200 1
K75 180 1.00 102.0 2200 1
Thunderbird 180 1.40 119.8 3700 1 256
Palomino 180 1.73 128.0 3750 1 256
Thoroughbred 130 2.20 84.0 3760 1 256
Barton 130 2.20 101.0 5430 1 512
Athlon 64 SledgeHammer 130 2.40 193.0 10590 1 1024
ClawHammer 130 2.60 193.0 10590 1 1024
Winchester 90 2.20 84.0 6850 1 512
San Diego 90 2.60 112.9 11400 1 1024
Orleans 90 2.60 81.0 8100 1 512
Lima 65 2.80 77.2 12200 1 1024
Athlon 64 X2 Toledo 90 2.60 199.0 22300 2 2048
Windsor 90 3.20 218.0 22740 2 2048
Brisbane 65 3.10 118.0 22100 2 1024
Phenom Agena 65 2.60 285.0 45000 4 2048 2048
Deneb 45 3.70 258.0 75800 4 2048 6144
Zosma 45 3.50 346.0 90400 4 2048 6144
Thuban 45 3.70 346.0 90400 6 3072 6144
AMD FX Zambezi 32 4.50 315.0 120000 8 8192 8192

 「K6」を入れるべきか迷ったのだが、AMDの場合「K7」の世代と「K8」の世代でプロセス技術の断絶がある関係で、メインと言えばK8以降のSOIプロセスであろう。比較対照用にK7は入れたが、K6世代の説明は省略している。またAPUの「Llano」「Trinity」は、総トランジスター数こそ公開されているが、GPUの分がまるで不明である。しかもTrinityはまだモバイル向けのみ公開されていて、デスクトップ向けの動作周波数が不明なので、こちらも除外した。

CTIにより、同じプロセス世代でも
改善を続けるAMDの方針

グラフ1 プロセスルールと最高動作周波数の変化

 まずはプロセスと最高動作周波数の関係を見てみよう(グラフ1)。朱色の破線は前回同様に一次近似を取ってみたものだが、意味が見出せないというか、長期的には直線近似っぽくはなっているが、あまりあてにならない。その理由は「CTI」(Continuous Transistor Improvement)による改善である。CTIというのは、あるプロセスノード(この例なら90nm)が立ち上がったあとでも、引き続きプロセスを改善し続ける技法である。

AMDによる「CTI」の説明図。継続してプロセスを改善すること(2006年1月の記者説明会資料より引用)

 グラフ1で言えば、例えば180nmプロセスを使うAthlonグループの、「K75」から「Palomino」への変化からこの傾向を見て取れる。130nm SOIを使う「SledgeHammer」から「ClawHammer」(Athlon 64グループ)、90nm SOIを使う「Winchester」から「Orleans」まで(同じくAthlon 64)、「Toledo」から「Windosor」(Athlon 64 X2)までも同様だ。

 またグラフ1からは読みにくいが、45nm SOIを使うPhenomグループの「Deneb」から「Thuran」までも、動作周波数こそ上がっていないがコアの数が「4」から「6」へと1.5倍に増えているあたり、トランジスターの改善があったことがうかがえる。

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