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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第263回

デジタル化でよみがえる、36年前の猫写真

2012年07月27日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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1992年の写真はPhotoCDに残っていた!

 次に写真が残ってる猫は「にや」。1992年くらい、まだ1歳くらいの頃、ひょこひょことやってきて餌をあげていたら居ついちゃったという猫で、当時読んでたマンガ「TO-Y」にでてきた猫の名前をそのままつけた。

日向ぼっこしてるにや。とにかく人なつこい猫で、誰の膝にもすぐ乗っかってたのだった(1993年6月くらい PhotoCD)

日向ぼっこしてるにや。とにかく人なつこい猫で、誰の膝にもすぐ乗っかってたのだった(1993年6月くらい PhotoCD)

 35mmフィルムのコンパクトカメラ、京セラの「Slim T」で撮った写真。当時、写りがよいので愛用していた。この頃、コダック社が「PhotoCD」というサービスをはじめたのである。フィルムを持って行くと、それをデジタル化して専用のCDに焼いてくれるのだ。

 CD1枚につき100枚記録できた。けっこう高かったので普及はしなかったけれども、職業柄、ちょっと試してみようと思って手元にあったフィルムを何本か試しにPhotoCD化してみたのだ。

 その中に猫写真が何枚か混じっていたのだ。

 この頃のにやは半ノラで腹が減ったときと眠いときだけうちにくるというありさまで、外で汚れたまま部屋に上がってきては勝手に隙間を見つけて無防備に寝ていたのだった。

雑然とした部屋の隙間に器用に入り込んで寝てるにや。半分ノラだったので毛もかなり汚れております。このあと引っ越した部屋で、室内飼いに切り替えたのできれいになったけど(1993年6月(くらい) PhotoCD)

雑然とした部屋の隙間に器用に入り込んで寝てるにや。半分ノラだったので毛もかなり汚れております。このあと引っ越した部屋で、室内飼いに切り替えたのできれいになったけど(1993年6月くらい PhotoCD)

 上の2枚の写真は1993年の6月頃に撮ったもの。なぜわかるかというと、PhotoCDに写真を焼いた日時が記録されていたからである。まあPhotoCDに焼いた日なので実際の撮影日とは違うのだけど、20年近くたてばそのくらいは誤差。

 次にやってきたのが「大五郎」で、これは友達の紹介というか、近所の野良猫が子供を生んじゃったので引き取ってくれないかといわれたのがきっかけで、2003年早々のこと。

 この頃はデジカメを常時手元に置いていたので、うちについた瞬間の写真が残ってる。おでこの▲が、2002年ワールドカップで来日したロナウドの髪型(大五郎カットと呼ばれてた)を思い出したのでそのまま大五郎。

大五郎が病院での健康診断を終え、我が家にやってきた瞬間の写真。ケージをあけると奥でおびえてた(2003年1月 サンヨー DSC-MZ3)

大五郎が病院での健康診断を終え、我が家にやってきた瞬間の写真。ケージをあけると奥でおびえてた(2003年1月 サンヨー DSC-MZ3)

 ケージの奥に引っ込んで怖がって出てこない顔がそのまま。

 当初は先住猫のにやが大五郎を嫌って大変だったのだけど、やがて落ち着いたものの、2006年ににやが病気で永眠。

 この頃になるとデジカメの性能もあがり、写真のクオリティーも高くなってる。

買ったばかりの赤いソファの上でくつろぐ大五郎とにや。今は猫の爪で表面がぼろぼろで見る影もなし(2003年7月 富士フイルム FinePix F402)

買ったばかりの赤いソファの上でくつろぐ大五郎とにや。今は猫の爪で表面がぼろぼろで見る影もなし(2003年7月 富士フイルム FinePix F402)

 2008年。知り合いの猫ボランティアさんの紹介で子猫を引き取ってくれないかといわれ、やっぱ猫は2匹いた方が楽しいよねってことでやってきたのが「かふか」。元ネタは「さよなら絶望先生」ってマンガの登場人物。今思えば4匹中3匹が名前をマンガからとってるわけで、小学生の頃から全然進歩してないのがわかります。三つ子の魂百まで。

「かふか」がやってきた日の写真。ケージに隔離しておもちゃを与えると楽しそうに遊んでおりました(2008年8月 ニコン D40X)

「かふか」がやってきた日の写真。ケージに隔離しておもちゃを与えると楽しそうに遊んでおりました(2008年8月 ニコン D40X)

 そしてこの2匹も仲がいいのか悪いのかわからないけど、まあそれなりにやっております(前ページ冒頭写真)。

 36年前の猫写真が発掘されたのをきっかけに、私の飼い猫の歴史(全部ではないけど)をちょいと並べてみた。

 古いプリント、PhotoCD、デジカメと時代とともにメディアは変われども、全部デジタル化してパソコンの中に放り込んじゃえば、こうしてひとつの流れとして並べることができて楽しいよ、と。そういう話である。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイ ン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを探す日々。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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