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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第96回

LaVie Z商品企画担当者インタビュー

インタビューで聞く どこまでも軽さだけを狙ったLaVie Z

2012年07月26日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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13型で11型並のモビリティーのものを作ってやるよ

 LaVie Zを見た時、こう思った人もいたはずだ。「なんで13型クラスなんだろう? 世界市場を見るならわかるけれど、日本市場なら11型クラスでもいいのでは。そちらの方が、小さい分軽くできるはず……」と。もちろん、NECでも11型は検討したようだ。だがある理由から、13型をあえて選択したという。

中井「もともと企画当初は、11型にしようと思っていたんです。そのほうが軽くできると思ったからですが……」

中井「しかし、企画書を書いて技術部門にぶつけてみると、ちょっと違う答えが返ってきました。『どうも11型だと、軽い(ディスプレー)パネルが出てきそうにない』という話が出てきたのです。逆にトレンドとしては、13型の製品の方が部材もいろいろなものが登場しつつあり、より軽く作れるのではないか、という話でした」

中井「また11型にした場合、厚くなってしまうという問題もあります。中に入れなければいけないコンポーネントは決まっているので、11型では積み重ねなくてはいけなくなるからです。また(内部の)レイアウトも厳しくなって、I/Oポートも削らなければいけなくなります」

中井「そう考えると、トータルのバランスでは13型のほうがいいのでは……ということになります。すると、開発スタッフがこう言ってくれたんです。『13型で11型並のモビリティーのものを作ってやるよ』と(笑)」

中井「結果的に13型とは言いながら、フットプリントはかなり小さくまとめられました。軽さが飛び抜けてはいますが、各部のバランスがキープできて、『軽さだけではないまとまり』が生まれたのです」

色すら「軽量化」のために犠牲に!
すべては「軽く、軽く」

底面(左)には新素材「マグネシウム・リチウム合金」を使用。天板(右)やパームレスト側は一般的なマグネシウム合金

 同社がLaVie Zを開発する上で、大切にしたことがある。それは「世界最軽量でなければ意味がない」という発想だ。

中井「すべてにおいて、なにを考えるにも『軽くなるか重くなるか』だけを考えました。可能な、考えうる限りすべてのことをやっています。その結果、我々のできることを出し切ったのが『13型で875g』という結果です。世界最軽量を獲得できなければ、このプロダクトの意味はないんです」

 LaVie Zは底面に、「マグネシウム・リチウム合金」を使っていることで注目されている。これももちろん、重さを下げつつ剛性を保つための工夫だ。

 本体のデザインを見てすぐにわかるのは、ボディーが素材のままに近い色、すなわちシルバーであることだ。せっかく薄くてかっこいいのだから、カラーリングを工夫すれば……と思う。だが、それはLaVie Zの場合あり得なかった。

中井「デザインに関しても、すべて同じ発想なんです。ワンコート塗装すると、その分、数g重くなりますからね。ですからカラーはこのままです。本体手前の左に『LaVie』のロゴがありますよね? このロゴはホログラムのシールになっていますが、最初のデザインではLEDが仕込まれていたんです。でもそれもやめました。LED3つ分重くなるようなことは、この製品ではできません」

「このロゴは、最初のデザインではLEDが仕込まれていたんです。でもそれも(軽量化のため)やめました」

本体前面。左端のLaVieロゴは、当初はLEDで光らせるアイデアがあったが、軽量化のため断念

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