α用の多種多様なレンズを使ってみる
NEXが採用する「Eマウント」にはまだ単焦点レンズが少ない。しかしNEXには純正のマウントアダプターが用意されており、一眼レフの「α」用レンズ(Aマウント)をNEXで使うことが可能だ。
マウントアダプターも新型の「LA-EA2」(実売価格3万3000円前後)を使えば、半透過型ミラーを採用した「トランスルーセント・テクノロジー」の高速なAFを味わうことができる。
たくさんあるα用のレンズの中から今回は標準レンズ中の標準レンズ「SAL50F14 50mm F1.4」(実売価格3万7000円前後)と、一般的な中望遠マクロレンズ「SAL100M28 100mm F2.8 Macro」(実売価格6万5000円前後)を試用した。
50mm/F1.4はNEXシリーズにはまだない開放F値F1.4という明るさが魅力。NEXシリーズに装着すると約75mm相当の中望遠レンズになる。
100mmマクロは35mm判フルサイズで使う分には普通の中望遠マクロだが、NEXシリーズでは約150mm相当のマクロレンズになる。
望遠マクロは被写体との距離を大きくとれるのと、不自然なパースペクティブ(遠近感)がつかない、背景を整理しやすいなど、静物撮影の機会が多い人にはぜひ注目してほしいレンズだ。
50mmの絞りの違い
50mm/F1.4は柔らかい描写と自然なぼけ具合がいい感じ。さすがに近接撮影で絞り開放付近はピントの合う範囲、被写界深度が浅くなりすぎてしまうので、ある程度は絞りを絞ったほうがいいことが多い。
100mmの絞りの違い
100mm/F2.8マクロは、被写体からレンズ先端までの距離、ワーキングディスタンスが長くとれるので離れた被写体や近づけない被写体を撮るときに便利だ。
スタイリッシュなミラーレスで
カッコよく撮る秘訣が単焦点レンズ
いまどきはレンズといえば1本で幅広い焦点距離をカバーできるズームレンズのほうが一般的で、焦点距離が固定されている単焦点レンズはちょっと特殊なレンズの部類に入ってしまうかもしれない。
しかし筆者が写真を撮り始めた頃はまだズームレンズこそ特殊なレンズで、画質的に辛うじて写る程度でしかなかった。最近では単焦点でもズームでも画質の差は昔ほどはなくなってきている。技術の進歩を著しく感じる点でもある。
ズームレンズに比べて単焦点レンズの利点と言えば、少し前までなら「明るい」「画質がいい」「小型軽量」などと言われていたが、ここ最近のズームレンズは意外にも明るかったり、画質がよかったり、小さくて軽かったりするものが多い。
などなど、ズームレンズに対する単焦点レンズのアドバンテージは少なくなってきてはいるが、やはりレンズの開放絞り値が明るい点や収差の少なさ描写性能の高さでは単焦点レンズのほうがまだ優っている部分が多い。
それにズームレンズを装着して撮っている姿よりも単焦点レンズで構図を考えながら撮影している姿のほうがカッコよく見えたりするものである。スタイルにもこだわる一眼ライフ送るなら、単焦点レンズはオススメである。