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もしもツンデレ女子高生がBDを使うことになったら 第1回

レトロ少女漫画風の新感覚BD講座

ツンデレ少女、BDに出会う【前編】

2012年07月26日 11時00分更新

文● 藤春都 イラスト●布袋あずき

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期限は2日!?
ツンデレ少女、仕事を安請け合いする

「えー、では生徒会では……」

 生徒会室にはずらりと机が並べられ、クラス委員と生徒会執行部が勢揃いしている。

 もうすぐうちの高校では文化祭があるから、校内は何かと騒がしい。メインで仕切るのはもちろん文化祭実行委員会なんだけど、生徒会としての仕事や出し物もあるからこうしてしょっちゅう招集がかかる。

 赤司も委員として私の隣にいる。ぼーっと先生の生え際(ヅラ説が濃厚だが、いまだ真実に至った勇者はいない)を眺めてるだけだけど。

「生徒会の展示に少し変更がありまして、『我が校の歩み』ということで、創立から今までの写真や映像をパネルとスライドショーで展示します。……最近、古い写真やビデオテープが山ほど発見されまして、使えとのOB会からの厳命が」

 定番と言えば定番の企画よね。

 でもこの杜ノ宮は古いから、写真だけでもかなりの量になりそうだな。

「ついてはこの古い写真の山をスキャンしてデータ化しないといけません。そのままじゃパワポに使えませんし、パネルを作るにしてもそのほうが早いですし。

 ……で、ご存じの通り、文化祭は三日後です。明日、ぎりぎりでも明後日までに、この作業をやらないといけないんですが」

 部屋じゅうから「あー……」というため息が漏れた。

 ところでぱわぽって何だろう。すきゃん……アイキャンフライ? 会長飛ぶの?

「正直、執行部は皆忙しくてこちらの作業まで手が回りません。どなたか手の空いている方がやっていただけると……」

 正直、面倒くさい作業なんだろうなっていうのは他の人の様子を見ていればわかる。みんなクラスや部活の出し物もあるし、この大詰めの時期にそんな仕事まで抱え込むわけにはいかないわよね。

 でもねえ、誰かがやらなきゃ絶対に終わらないでしょそんな仕事。

「私がやりましょうか?」

 手を挙げてみたら、会長以下その場の全員が驚いて私を見た。

 もちろん私だって忙しくないわけじゃないけど、何とかなるでしょ。隣の赤司は何か言いたそうな顔でこっちを見ていたけど、何だっていうの。だって写真とビデオを整理するだけでしょ?

後編に続く

著者紹介――藤春都

 ライトノベル書き。筑波大学図書館情報専門学群卒。特技は本を腹の上に載せたまま寝ること。企画書を没られたりプロットを没られたり細かな記事を書いたり色々してます。単行本は『ミスティック・ミュージアム』(第二回ノベルジャパン大賞<佳作>受賞作)、『空想/のべりずむ』、『瑠璃色の刃と朱色の絆』(すべてホビージャパンより刊行)。現在、新作準備中……のはず。たぶん。

 ウェブサイトは『Claymore』、Twitterは@fujiharu

イラスト――布袋あずき

 ドレスと猫をこよなく愛する漫画家。単行本に『小公女(マンガジュニア名作シリーズ)』(学研教育出版)。現在夏バテ中。

 ブログ『本当は萌える!源氏物語』では、源氏物語の漫画を連載中。twitterは@genjihikaru

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